日本に帰った際、中学校に授業に行った。
あきる野市西中学校との出会いは、1年半ほど前に、新聞に載っていた私の記事を授業で取り扱い、生徒さんひとりひとりがお手紙をくれてから。
そのお手紙の内容は、「どうして水泳から国連職員に転身したのですか?」「コレラは怖くないのですか?」などの私への素朴な疑問だったり、ハイチの復興をどうしたらよいか、という突っ込んだ考えが、ダイヤモンドの原石のようにちりばめられていて、それはそれは感動したのだ。
13−14歳でここまで考えられるのか!と舌を巻いたし、
「ハイチは悪政だからだめなのですね。そうしたら、日本も近い将来そうなるかもしれませんね」などという辛辣なコメントもあり、私はゲラゲラ大笑いして一枚一枚のお手紙を読んだ。
私がお返事しなくちゃと思ってぐずぐずしている隙に、お節介ものの母親が勝手に学校の先生に連絡し、そこから先生とのやりとりが続き、生徒さんたちも継続的にハイチを追ってくださった。
という経緯があり、ユニセフ募金もしてくださっている寄付者の生徒さんたちに、ハイチの現場の経験を生でお話ししようと、今回の出前授業に至ったのであります。
普段から、日本の子どもたちや寄付者の方々に、「募金してください」だけじゃなくて、お金がどう使われているか、ちゃんとお仕事の内容を知っていただくことは、寄付を頂いているものの義務だと思っているので、こういう機会があってよかった。
その様子は日本ユニセフ協会のゆかちゃんたちがびしっとまとめてくださったのでこちらをどうぞ↓
以前、母校大学で話をしてもなーんか反応イマイチだったこともあるし、
中学生って、どのくらいちゃんと聞いてくれるのかな?とちょっと不安もあったけれど、
子どもたちのほとんどが最初から最後までちゃんと聞いてくれました。
「シエラレオネってどこにあるか知っている人」の質問に、
「ガーナの近く」と答えた子もいたり、
「ではスリランカはどこにあるか知っている人」の質問に、
「ライオンのマークの国旗」と驚く回答をした子どもも居て、盛り上がりました。
私のくだらないジョークに、ニヤッとしていた子どもが沢山いて、現代っこっぽかった。
そして質問コーナー。
質問が鋭い。
「ハイチ政府はどんな感じなんですか」とか
「これからの目標は」とか
日常の難問だけでなく、ついには、
「井本さんにとって生き甲斐とは」。
そんな、オトナの永遠の課題を、直球勝負で来られても。
どきっとするやんか。
子どもは怖いなー。
将来を担う夢多き生徒さんたちの手前、中途半端に答えられませんし。
回答を用意していなかったので、数秒考えましたが、何とかかっこいいことを言ってしまった。
嘘はついていないけれど。
今後実行できなかったらどうしよー。
同じような疑問を投げられたのが、滞在の最終日に突然降って沸いた某女性誌のインタビュー。
前夜、飲みながら、
私「明日、「いい女」特集の取材だって。あれ、違ったっけ」
知人「さっき「女の生き方」特集だって言ってましたよね」
実際は、「女の仕事」だったらしい。
最初のん、全然違う。
翌日、案の定目の下のクマがどっかり。
修正しておいてくださいね、と何度も念を押しときました。
このインタビューでも、仕事のモチベーションについて聞かれ、何だかもそもそと答えましたが、
かっこいいことを言いながら、
もうすぐ契約終了につき、
人生について考えるキャンペーンを行っている最中の私は、
中学生と女性誌インタビューをきっかけに大いに考えさせられたのでした。
さてどうしよかな。