おばさんの落書き部屋

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公開講座「“死”の現場から」

2012-11-29 22:29:15 | 講演会

午前中、女性会館の後期主催講座「心のバリアフリーへの一歩~女性の就労問題と職業差別から~
(全5回)」のうちの「“死”の現場から」と題した公開講座を聴きに出かけた。
講師は3人の子どもを持つシングルマザーで、前職の会計事務所から転職、湯灌業を起業した
岡崎市在住の中村典子さん。
納棺する前に亡くなった人を清め、旅立ちの支度を整える「湯灌師」「納棺師」という職業が
一躍知られるようになったのは、やはり本木雅弘主演映画「おくりびと」だろう。
彼女が起業した時、数年は殆ど仕事がなかったそうだが、この映画が上映されてから
少しずつ、葬儀社を通じて仕事の依頼が舞い込み、今では多い時は一日5~6件もあり、
今までにお世話した遺体は数千体とか。
365日お休みはないそうだ。

職業の特殊性もあるが、「死」の現場を見つめてきたさまざまなドラマ、エピソードや
この仕事に就こうと思ったきっかけや仕事に就いたときの周囲の反応、
遺体を送り出す中で出会った心温まる話、悲しい話、自殺、孤独死、死後硬直、死斑など
泣いて聴いている人もいた。
定員100名となっていたが、それ以上の聴衆でホールはほぼ一杯で、30分に亘って
魂はあると考えますか? 依頼するとどの位の費用がかかるのか?など多くの質問が会場から
あった。

「大往生」とは?  どんな意味?  どんな亡くなり方?
辞書では臨終に際して、苦痛の様子(心の乱れ)がなく安らかに死ぬこと。
寝たきりにもならず、十分に長生きして天寿をまっとうすることとなっている。
彼女は人生を振り返った時、ああ、いい人生だったと思えれば、大往生と言えるのでは・・。
と言う。
ご遺体は息をしていないだけ。どちらかと言えば「介護」に近い仕事。
物扱いではなく人として扱う。だから殆ど素手で行う。とも・・。
つい、昨日も練炭自殺があったそうだ。
「ただ生きているだけで幸せ。自分を愛している人のためにも大切に生きて欲しい」と
結ばれた言葉が印象に残った。

   



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