それでも好き

　震災から２週間経ちました。最近，よく思い出すことがあります。

　韓国にいるとき，カナダ人の同僚が，私にこう言いました。

　「日本は，地震が多くて危険なのがわかっているのに，なぜ，日本に住み続けるのだ」

　そのときは，そういうものの見方があるのかと思いましたが，ずっと明確な答えを見つけることができないまま，今に至ったと思います。

　でも，ようやく，答えが見つかったような気がします。被災された方のインタビューを聞いても，皆，同じ思いだと感じました。

　住み慣れているから・・・。そして，日本が，ふるさとが，好きだから・・・・。

　何事においても，この「好きだ」という思いが根底にあれば，どんな困難でも前に歩んでいける気がします。それぐらい，大事な思いがそれでも，「好き」なのではないかと，質問を受けてから，10年以上経って，気づきました。10代の女の子がはっきりと答えていたのに，私は今ごろ，気づくなんて・・・。「好き」という気持ちに気づくのは，案外，難しいものですね。