◆ホリエモンこと、元ライブドア社長の堀江貴文被告が3月16日、東京地裁から懲役2年6月の実刑判決を受けた。53億円の粉飾決算や偽計取引(「風説の流布」)により証券取引法違反罪に問われている。堀江被告は、直ちに東京高裁に控訴したので、裁判は依然として続く。刑事裁判は判決が確定するまでは、「無罪の推定」を受けるから、堀江被告が有罪か無罪かはまだ決っていない。
デジタル情報革命下、ホリエモンが新しい時代を切り拓く寵児であったことは、紛れもない事実である。だからこそ、多くの若者たちにとってと憧れの的となった。いまもなお、ホリエモンの後に続く若者が多数いる。日本経済の発展にとっては、実に頼もしいことである。
今回の事件は、インサイダー取引により証券取引法違反罪で公判中の村上世彰被告(元「村上ファンド」社長)と関連する刑事事件である。村上被告が、ホリエモンの軍師を務めていた時期があったからでる。この流れで言えば、現職の日銀の福井俊彦総裁が、村上被告の支援者であり、世上、「黒幕」だったと言われながら、東京地検特捜部が、捜査の手を伸ばさなかったのは、納得できない。
◆しかし、ホリエモンに対して、裁判長が「被告の能力は認める」と言っているように、ホリエモンの天才的な能力を高く評価しながら、あえて苦言を呈するならば、「会社を設立して経済活動を行うのであれば、日本の法体系、とくに経済法制をよく勉強したうえで、経営を行うべきであった」と言いたい。これは、いかにIT技術に詳しくても、法治国家のなかで経済活動をしていることを忘れてはならないという意味である。ホリエモンが、東大文学部中退であること弱点かも知れない。東大法学部を卒業して、通産官僚になり、M&A法制化に携わった村上被告でさえ、刑事事件の被告になっているのであるから、いかに法律素養があってもルール違反する危険があるだけに、素養のない文学部学徒出身者は、自らの経済活動に関する法律に詳しくなくてはならない。これは、自動車を運転するドライバーが、運転免許を取得するときに、道路法規をはじめ、交通法制を勉強し、試験を受けなくてはならないのと同次元の問題である。免許を取得後も、法律は改正されたり、新たに制定されたりしていくから、その都度、研修を受ける必要がある。
◆ところが、企業経営を志す者に対する「経済法制に関する研修」は、自動車学校における運転免許取得講習ほど体系的には行われていないのが、現状である。経営者になるための資格試験はなく、その気になれば、「資本金1円」で会社を新設して、いつで経営者になれる。法律に暗いホリエモンが、「粉飾決算の犯意」も「偽計取引の犯意」もなかったというのは、当然のことである。
だからといって、犯罪が成立しないということではない。法律の存在を知らなくても、違法行為は、認定される。「行為の認識」さえあれば、犯罪構成要件は満たされるのである。ことほど左様に、法治国家においては、「法律を知らない」ことを理由に無罪にはならない。むしろ、法律の無知を恥じるべきである。
しかし、犯罪にも、人殺しや強盗、放火、強姦などの自然犯と交通違反や選挙違反など社会秩序の維持にかかわる行政犯とがある。だれでもうっかり犯す可能性のある行政犯を自然犯と同列に扱い「極悪人」と深刻に考える必要はない。選挙違反で逮捕されて、自殺する者が跡を絶たないのは、自らを「極悪犯罪人」と思いつめてしまう人が多いからである。
◆この意味で、ホリエモンの犯した「間抜けな事件」を今後の教訓にする必要がある。その一つは、ホリエモンのような法律素養がなく、ルール違反を犯してしまう経営者を再び生み出さないために、経営者志望者や現職経営者を対象とする「ビジネス法律講座」を設けていくことである。「ビジネス法律講座」が、新しいビジネスになる時代でもある。事業欲旺盛なホリエモンは、宇宙ビジネスやライフサイエンス・ビジネスに進出に新天地を求めているそうだが、それよりも今回の事件を肥やしにして、「ビジネス法律講座」を開設して全国に普及していけば、相当儲けられるはずである。
宿敵・国民新党の亀井静香代表代行が「君はまだ若い、ガンバレ」とエールを送っているように、一刻も早く刑期をまっとうして、娑婆に復帰し、「世のため、人のために」社会貢献して欲しい。「光陰矢の如し」というではないか。裁判などに貴重な時間とカネを無駄にしない方がよい。このことをよく自覚して、ホリエモンよ、ガンバレ!

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デジタル情報革命下、ホリエモンが新しい時代を切り拓く寵児であったことは、紛れもない事実である。だからこそ、多くの若者たちにとってと憧れの的となった。いまもなお、ホリエモンの後に続く若者が多数いる。日本経済の発展にとっては、実に頼もしいことである。
今回の事件は、インサイダー取引により証券取引法違反罪で公判中の村上世彰被告(元「村上ファンド」社長)と関連する刑事事件である。村上被告が、ホリエモンの軍師を務めていた時期があったからでる。この流れで言えば、現職の日銀の福井俊彦総裁が、村上被告の支援者であり、世上、「黒幕」だったと言われながら、東京地検特捜部が、捜査の手を伸ばさなかったのは、納得できない。
◆しかし、ホリエモンに対して、裁判長が「被告の能力は認める」と言っているように、ホリエモンの天才的な能力を高く評価しながら、あえて苦言を呈するならば、「会社を設立して経済活動を行うのであれば、日本の法体系、とくに経済法制をよく勉強したうえで、経営を行うべきであった」と言いたい。これは、いかにIT技術に詳しくても、法治国家のなかで経済活動をしていることを忘れてはならないという意味である。ホリエモンが、東大文学部中退であること弱点かも知れない。東大法学部を卒業して、通産官僚になり、M&A法制化に携わった村上被告でさえ、刑事事件の被告になっているのであるから、いかに法律素養があってもルール違反する危険があるだけに、素養のない文学部学徒出身者は、自らの経済活動に関する法律に詳しくなくてはならない。これは、自動車を運転するドライバーが、運転免許を取得するときに、道路法規をはじめ、交通法制を勉強し、試験を受けなくてはならないのと同次元の問題である。免許を取得後も、法律は改正されたり、新たに制定されたりしていくから、その都度、研修を受ける必要がある。
◆ところが、企業経営を志す者に対する「経済法制に関する研修」は、自動車学校における運転免許取得講習ほど体系的には行われていないのが、現状である。経営者になるための資格試験はなく、その気になれば、「資本金1円」で会社を新設して、いつで経営者になれる。法律に暗いホリエモンが、「粉飾決算の犯意」も「偽計取引の犯意」もなかったというのは、当然のことである。
だからといって、犯罪が成立しないということではない。法律の存在を知らなくても、違法行為は、認定される。「行為の認識」さえあれば、犯罪構成要件は満たされるのである。ことほど左様に、法治国家においては、「法律を知らない」ことを理由に無罪にはならない。むしろ、法律の無知を恥じるべきである。
しかし、犯罪にも、人殺しや強盗、放火、強姦などの自然犯と交通違反や選挙違反など社会秩序の維持にかかわる行政犯とがある。だれでもうっかり犯す可能性のある行政犯を自然犯と同列に扱い「極悪人」と深刻に考える必要はない。選挙違反で逮捕されて、自殺する者が跡を絶たないのは、自らを「極悪犯罪人」と思いつめてしまう人が多いからである。
◆この意味で、ホリエモンの犯した「間抜けな事件」を今後の教訓にする必要がある。その一つは、ホリエモンのような法律素養がなく、ルール違反を犯してしまう経営者を再び生み出さないために、経営者志望者や現職経営者を対象とする「ビジネス法律講座」を設けていくことである。「ビジネス法律講座」が、新しいビジネスになる時代でもある。事業欲旺盛なホリエモンは、宇宙ビジネスやライフサイエンス・ビジネスに進出に新天地を求めているそうだが、それよりも今回の事件を肥やしにして、「ビジネス法律講座」を開設して全国に普及していけば、相当儲けられるはずである。
宿敵・国民新党の亀井静香代表代行が「君はまだ若い、ガンバレ」とエールを送っているように、一刻も早く刑期をまっとうして、娑婆に復帰し、「世のため、人のために」社会貢献して欲しい。「光陰矢の如し」というではないか。裁判などに貴重な時間とカネを無駄にしない方がよい。このことをよく自覚して、ホリエモンよ、ガンバレ!

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