「巨額予算に目が眩む」理化学研究所(野依良治理事長)が、STAP細胞検証せず、「小保方晴子切り」急ぐ

2014年04月03日 03時18分08秒 | 政治
◆理化学研究所(野依良治理事長)が3月1日、小保方晴子ユニットリーダーが執筆した「STAP細胞」論文について、「データの捏造(ねつぞう)、改ざんを認定した」とする最終報告を発表したのは、いかにも「拙速」である。
理化学研究所は1月28日、記者会見の場でSTAP細胞を発表した。これに対して、英国ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのクリス・メイソン教授は「また日本人が万能細胞の作製法を書き換えた」、京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授(2012年にノーベル医学生理学賞を受賞)は「若い日本の研究者からの発信で、本当に誇りに思う」などと絶賛したほか、研究者の多くが驚きや称賛などを表明した。
 ところが、「STAP細胞」論文データについて「捏造、改ざん」の疑いが浮上してきたため、理化学研究所は3月14日、研究論文の疑義に関する調査中間報告を公表し、記者会見を行った。それからわずか18日後の4月1日、理化学研究所は研究論文の疑義に関する調査最終報告を公表し、記者会見を行ったのである。
◆ズバリ言えば、安倍晋三政権が政府予算の面で優遇する「特定国立研究開発法人」(仮称)に指定されたいがために、その障害となる「小保方晴子切り」を急いだとしか思えない。ノーべ―賞級の世界的偉業と言われた新しい「STAP細胞」が本当に発見されていたのか否かの検証を行うこともなく、「小保方晴子ユニットリーダーだけが論文を捏造、改ざんした」と一方的にしかも拙速に決めつけたのは、野依良治理事長はじめ理化学研究所の上層部が、単なる組織防衛に止まらず、「巨額予算」に目が眩んだためという印象は拭えない。
 「特定国立研究開発法人」(仮称)に指定されれば、優秀な研究者を高級で優遇でき、国内外の人材を集めることが可能となる。研究者を1年短期の臨時採用で、成果によって3年間まで契約更新できるまるで「派遣社員」並み扱いすることもなく、じっくり腰を据えて研究活動をさせることができる。こんな恵まれた状態が保障されるか否かの瀬戸際だっただけに、露骨な「トカゲの尻尾切り」をしてでも、この場を切り抜けたかったのだ。
 野依良治理事長は記者会見を終えると、文部科学省に直行し、下村博文文科相に調査結果を報告した。だが、下村博文文科相は「十分でない」と不満を示し、「4月中旬に関連法案を閣議決定するのは、困難だ」として、「特定国立研究開発法人」(仮称)に指定するか否かの判断を先延ばしする意向を伝えた。つまり、「巨額予算」に目が眩んでいる野依良治理事長の足下を見透かしていたのである。
◆小保方晴子ユニットリーダーが、理化学研究所の記者会見中に、「承服できない。不服申し立てをする」と発言している。当然のことだ。理化学研究所の上層部が、小保方晴子ユニットリーダーに対して、「一切発言しないように」と厳しく口止めしてきたうえに、対外的に弁明の機会をまったく与えず、記者会見の場にも出席させないで、最終報告を行ったのは、いかにもアンフェアである。それ故に、「特定国立研究開発法人」(仮称)に指定されたいがために、その障害となる「小保方晴子切り」を急いだと受け取られているのだ。
 小保方晴子ユニットリーダーのSTAP細胞論文の共著者である米ハーバード大チャールズ・バカンティ教授は1日、所属する米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院を通じて「論文の誤りは研究結果に影響しないと信じる。論文は撤回されるべきではない」とする声明を発表し、小保方晴子研究ユニットリーダーに対して、援護射撃している。このため、理化学研究所の方が、むしろ、苦しい立場に立たされている。
◆なお、理化学研究所のルーツと発展のストーリーについて、浦和法人会の機関紙「法人うらわ」に連載中の「誰でも知っている創業者のサクセスストーリー」(評論家 板垣英憲著)で「連載68回 理研産業団 大河内正敏」と題し「●ピストンリングの発明で十大発明家の一人に数えられる●理化学研究所の研究者に自由に研究させる●研究者の発明を事業化し、「理研コンツェルン」を築く」などと紹介しているので、参照されたい。

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