「実験考古学」は,発掘調査で出土した遺物や遺構の持つ性質を探るためにその遺物や遺構の制作方法や使用方法を復元し,それらを使用したときの効果や有効性を確かめたり,ある考古学上の考え方や仮説に対しその考え方や仮説が正しいかどうかを確かめるために行われるものとされています。
今回は、国営飛鳥歴史公園の「キトラとらい塾」で行った、飛鳥での土器づくり「実験考古学 弥生式土器制作」を紹介したいと思います。
「弥生式土器」は、弥生時代(紀元前300年頃、終わりは紀元後300年頃)につくられた土器で、縄文式土器に比べていろいろな違いがあります。
色ですが縄文式土器が黒やねずみ色が多いのに比べて、弥生式土器は大抵は赤っぽい色をしています。弥生土器の形はものを蓄えておくための壺、ものを煮炊きするためのかめ、食器としての高つきや鉢などと使い道によってはっきりと区別されているようです。
今回は、飛鳥での土器づくり「実験考古学 弥生式土器制作」ということで、2回に分けて制作しました。
1回目は、2016年12月11日に飛鳥キトラ地区公園の体験工房で行われました。
最初に、指導の先生により「飛鳥の焼き物」ということで、縄文・弥生・古墳といった各時代ごとの土器の特徴等の講義がありました。
そして、いよいよ土器づくりです。土器成形の仕方を先生が手本を示されて、各自制作に入りました。
最初は、1〜2cm位の厚さで、土器の底部になる円形の土台をつくります。次に手の指で粘土を転がし、粘土ひもを作り形を作っていきます。ちなみに、粘土はキトラ地区で採れた物を使用しました。皆さん色々と工夫されて、とても素敵な土器を作られていました。1回目の作業は土器を作るところまでした。この後、約1カ月位乾燥させてます。
2回目は、2017年1月15日に乾燥させた土器を飛鳥キトラ地区公園体験工房横の空き地で焼きました。いよいよ、「実験考古学 弥生式土器」の野焼きの開始です。
火の調整等は、先生の指示に従って行いました。9時30分頃から始めて、取り出したのは15時位でした。なかなか火がつかず温度調整も難しくて、きちんと割れずに焼き上がってくれるのかキドキでしながらの時間でした。
昼食は、キトラ地区の農園で採れた米や野菜を使った料理を調理し、皆さんで食べました。とても美味しくいただきました。最後には、残り火で焼いた焼き芋がとても美味しかったです。
年に1回だけの「実験考古学 弥生式土器制作」ですが、国営飛鳥歴史公園のキトラ地区の体験工房では、古代ガラス制作体験・ガラス玉づくり・勾玉(まがたま)づくり・海獣葡萄鏡(かいじゅうぶどうきょう)づくり・富本銭(ふほんせん)づくり等の「飛鳥古代体験」ができます。飛鳥に来られたら、チャレンジしてみませんか・・・
今回、初めての「実験考古学 弥生式土器制作」でした。作品の出来はいまいちでしたが、とても楽しい時間を過ごすことができ、また貴重な体験をさせていただきました!
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