和泉の日記。

気が向いたときに、ちょっとだけ。

「クビキリサイクル」読了。

2007-08-25 18:55:13 | 読書感想文。
「クビキリサイクル」、読了しました。
うん、全体的になかなか面白かったかなあ。

ジャンルとしては、ミステリに分類されるのでしょう。
でも、もはやミステリ的トリックなんて出尽くした感があって。
近年のミステリは、純粋なトリック推理だけでは立ち行かなく
なってきていると思います。

さて、そこで本作ですが。
トリック部分は、及第点止まりかと思います。
可もなく不可もなく。
良く考えられているけれども、斬新というほどでもない。
そんなところでしょうか。
むしろ、この作品のキモは各キャラクターにあると思います。

ひどくクセのある「天才」たちと、その天才の一人の友人である
「語り部」こと「ぼく」。

みんな、どこかイカれてて、だけど全員がそんな調子だから
逆に停滞することなく物語は進行してしまう。
みんなが勝手に立ち回り、「ぼく」はそれに振り回されながら
展開していくストーリー。
最後の最後、大オチまでがこんな調子で進んでいくのです。
正直、振り回され放題で楽しみ方が難しいと感じます。
「ぼく」には何となく感情移入できるものの、中盤くらいから
どうもコイツが一番イカれてんじゃねーの?的な疑問が湧いてきたり。
でも結局その伏線は回収されないまま終わっちゃうものだから、
一層フラストレーションはたまる一方です。

確かに、ある種流行りそうなニオイは感じます。
クセがあって、アタマの良さそうな文体。
エキセントリックにぶっ飛んだキャラたち。
前にも書きましたけど、学生時代ならハマったかも。

とはいえ、やはり斬新な部分には面白いところもあって。
もう少し、続きを読んでみようかなとは思っています。
コメント (2)
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