和泉の日記。

気が向いたときに、ちょっとだけ。

「Iの悲劇」読了。

2022-12-06 20:11:17 | 読書感想文。
米澤穂信「Iの悲劇」読み終えました。


面白い・・・のは面白いんだけど、

公務員のリアルな愚痴が多すぎない!?

万願寺の苦悩が切なかったです。


でも、それだけ綿密に調査して書いたってことだよな。

まさか米澤穂信本人に市役所勤務経験アリ、とは言わんよね?

細かいところまで、本当に公務員の苦労が滲み出てて

凄い迫力を感じました。


で、本作は所謂Iターン事業をサポートしていく話。

地方にやってきた住人たちのトラブルを解決するのが

主なストーリーとなります。


そして最後にびっくり、というよくできた話。

ホント、最終章で見事にひっくり返してくれたもんなあ。


ところで、このエピローグは連載になってなかったそうです。

単行本書き下ろし。

つまり、連載分を追ってた人はこのエピローグを知らない可能性がある。

鬼か。


いやだって、観山が妙なところだけデキる新人だという部分も、

Iターン事業に何故か

「引っ越してきたけどやっぱ出ていくという際にも補助金が出る」

という部分も全部エピローグで納得することじゃん。

これを載せないのはズルいよー。

まあ、掲載誌の都合もあるんだろうけどね。


前述の観山というキャラが非常によかったです。

可愛らしく、且つ賢い女性という感じ。

キャラでいうなら「蘇り課」の3人は全員いいキャラなんだけどね。

個人的に、観山は突出して好みだったかな、と。


正直、面白くなるまでにちょっと時間がかかる作品かなと思いました。

のっけから全部が全部面白くワクワクするタイプではない。

なので、米澤穂信入門編とは言えないかな。

入門編はやっぱ「氷菓」でしょ。

短編集なら「満願」か。

米澤穂信ファンなら楽しめる一冊かと思います。

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