アレルギー性鼻炎と診断されながら、実際には慢性副鼻腔炎(chronic rhinosinusitis;CRS)に(も)罹患していて、
その治療をしないといつまで経ってもよくならないということを実証する研究が、
アメリカのシンシナティ大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科のAhmad Sedaghat氏らによって発表されました。
この研究では、鼻にアレルギー症状が生じている219人(平均年齢44.3歳、女性63.9%)の患者を対象に、
CRSとアレルギー性鼻炎の症状を同時に評価するために、
経鼻内視鏡検査と、Sino-Nasal Outcome Test(SNOT-22)と呼ばれる質問票による副鼻腔および鼻の症状の重症度と種類の評価を行なったところ、
これらの患者のうちの91.3%(200人)でアレルギー性鼻炎の診断が確定されましたが、
同時に45.2%(99人)と半数近くの人がCRSの診断基準も満たすことが明らかになったのでした。
著者らの臨床上の印象でも、
CRSとアレルギー性鼻炎は、たしかに鼻閉や鼻汁など特徴的な症状はよく似ているものの、
10年・20年、時にはそれ以上にわたりアレルギーの治療を受けてきても症状が改善しなかったと訴える患者で、
しばしばCRSであることが判明し、それに応じた治A. R.,療を開始すると症状は数カ月以内に改善することが少なくないとのことです。
<文 献>
Houssein, F.A., Phillips, K.M. & Sedaghatet,A. R., 2024 When It's Not Allergic Rhinitis: Clinical Signs to Raise a Patient's Suspicion for Chronic Rhinosinusitis, in Otolaryngology Head & Neck Surgery.
2024 Jan 31; doi: 10.1002/ohn.646. [Epub ahead of print]
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