明治安田生命保険が11月22日の「いい夫婦の日」にちなんで先日行なったアンケート調査で、
今年結婚した夫婦の出会いのきっかけは、「マッチングアプリ」が22.6%と、
「職場の同僚や先輩・後輩」(20.8%)、「学校の同級生や先輩・後輩」(20.8%)を抜いてトップに躍り出たそうです。
「マッチングアプリ」をきっかけとする結婚は、2009年以前に結婚した人では0%、
2010 ~14 年 で2.4%、2015 ~19 年 で6.6%、そして2020 ~22 年には一気に 18.8%と激増し、
そのなかでも、(2019年は12.2%)、2020 年は 17.9%、2021 年は 16.9%に対し、2022年は22.6%と着実に増加してきたのがわかります。
この背景にはもちろん、2010年代以降のスマホの爆発的な普及があることは言うまでもありませんが、これに加えて、
2020年以降の新型コロナウイルス感染拡大を受けて"リアル"での出会いが減少するなか、
「マッチングアプリ」が新たな出会いの手段として定着しつつあり、今後も一般的になっていくのかもしれないと同報告書も分析しています。
私も同感で、この傾向は新型コロナウイルスの収束後も、おそらく継続、いや増進していくのではないでしょうか?
省みれば、結婚のかたちが、見合い結婚から恋愛結婚へと転回したのが高度経済成長期の1960年代。
今やその恋愛結婚は、リアルでの出会いからオンライン上での出会いによる、アプリ結婚を主流とする形態に進化を遂げつつあるのです!
もっともそれは、見ようによるなら、見合い結婚への逆戻りとも見れなくもありません。
「マッチングアプリ」を仲人とする新型見合い結婚!です。
そう思って考え直してみると、幕末維新期に、仲人による見合い結婚が村内婚から村外婚への転換期に生まれる必要があったのと、
ある意味よく似た状況に私たちはいるのかもしれません。
誰も知り合いのいない村の外の世界で、結婚相手を見つけなければならなくなったとき、
唯一頼りになるのは、村の外の世界にたまたま知遇のある第三者、つまり仲人でした。
村はとっくに萎み、世界はますます広くなった現代、その代わりをしてくれるのが、アプリというわけですね。
しかしアプリはもはや人間ではない。
それが意味するのは、第三者というものが消失する時代、もっと正確にいえば、ヒトではない第三者の支配する時代の誕生です!