映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『チョコレート』

2007年04月02日 | Weblog
チョコレート - goo 映画
よい

マーク・フォースター 監督
ビリー・ボブ・ソーントン、ハリー・ベリー、ピーター・ボイル、ヒース・レジャー、ショーン・コムズ、モス・デフ、コロンジ・カルホーン 出演

偏見で固められた一家と下層階級の一家の不幸と孤独と再生。
代々刑務所員の家族と、その刑務所で処刑された夫を持つ家族が偶然出会う。

ストーリー、シナリオの拙さ(脚本 ミロ・アディカ、ウィル・ロコス)を出演者の圧倒的な演技力が見事にカバーしている。太ったT(タイレル)役のコロンジ・カルホーンにいたるまでうまい。

たとえば、見方によっては、金に物をいわせて白人が黒人を口説いた映画ともとれるし、主人公ふたりの家庭でそれぞれふたりを犠牲にしているともいえる(男の家庭の父と息子、女の家庭の夫と息子)わけだ。
墓のシーンなどで、主人公ふたりの相互理解をもっと説明できるはずだが、それをしない。しないからこそ、アメリカ人には多くの人に理解されるのかもしれないが、他国の人にはわかりづらい。

また、キャラクターや家族の設定、出会いのきっかけなどに無理がある。
それぞれの家庭の不幸は理解できても、その家庭がああいうふうに出会うのはできすぎている。

原題の「Monster's Ball」(怪物の舞踏会)は、死刑の執行前に看守達が行う宴会を意味する。映画でも出てくるが、字幕が早すぎて読み取りにくい。

日本でもハル・ベリーはハリー・ベリーになりかけているらしい。