映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『偶然の旅行者』

2008年03月24日 | Weblog
よい

ローレンス・カスダン 監督
ウィリアム・ハート、ジーナ・デイヴィス、キャスリーン・ターナー、エイミー・ライト、ビル・プルマン、ロバート・ゴーマン、デヴィッド・オグデン・スタイアーズ、エド・ベグリー・Jr 出演

旅行ガイドブックのライターのメーコンは、1人息子を亡くしたショックから立ち直れずにいた。子供の死以来妻との関係もうまくいかず、やがて彼女にも去られてしまう。そんな彼の前に現れたのがちょっと奇妙な女性ミュリエル。8歳の病弱な息子と暮らす彼女と行動を共にするうちに、メーコンはミュリエルの新鮮な魅力に惹かれていくのだった…。

暗い絶望的な下地にユニークなキャラクターを乗せ、男女の関係でコーティングした良質なたべもののような映画。

直接的に悲惨なシーンはあまり出てこない。それをウィリアム・ハートとキャスリーン・ターナーの演技で陰鬱な世界を作り出す。
また、ウィリアム・ハートの家族(ラリー家)がなにかに縛られたような一定の行動・思考様式があって、それが笑いを呼ぶ。

前半のこれらと比べて、後半の男女関係はあっさりしていていつのまにか犬も出てこなくなるが、それでもしっかりとした満足感を得られる。

あのエンディングを観客にすんなりと導いたのは、キャスリーン・ターナーの前半と後半とで種類の違う演技の力によるものだろう。