私の職場では週一回リサーチカンファレンスを開催しています。
内容は
1. 新しく思い付いた研究テーマを自由に提出してもらって、モノになりそうか自由に話し合う。
2. ある程度固まった研究計画について、研究の妥当性を評価し、最終的な仕上がりを予想しながら、実際の労力などについて議論して実行可能性などを練り、始めるかやめるか、始めるならどう始めるか話し合う。
3. 進行中の研究の進行状況の報告。
4. 学会発表、論文化の状況についての報告。
に別れます。
研究と言っても、単施設から多施設研究、デザインもアンケート調査からRCTまで、参加する職種もさまざまです。思ったことはまとまっていなくてもまず口に出すことを是とする会なので、激しい議論の応酬になることもしばしばあります。
内輪の会なので、それがいい効果を生むと信じています。誰かが何か言う、それを批判する、でも批判するだけでは解決にはならないので、解決策を考える。という風に、誰かの何かの発言がきっかけ、ヒントになり最終的に新しいアイデア、打開策が生まれる。
一人、二人で練りに練った研究も、よりたくさんの目に触れると、必ず気づかされる、良い意見が貰える(みなさん普段から雑誌に論文投稿して、そんなプロセスを踏んでいますよね。遥かにプリミティブでインフォーマルなものですが)。
それに、何よりもカンファレンスがペースメーカー(=足かせ)になってくれ、さぼりがちな私たちを激励してくれます。
本日は三人の専門看護師が「お、これは面白い」という研究計画を発表してくれました。これがけっこういいんです。
みなさんリサーチカンファやっていますか?
ちなみに、もしアイデアがあるが、どこから手をつけたらいいかわからないという人は、JSEPTIC-CTG(日本集中治療教育研究会 臨床研究グループ)にご連絡ください。
http://www.jseptic.com/rinsho/
http://www.jseptic.com/rinsho/theme.php
まったく同様な話し合いをJSEPTIC-CTGでも、年4回のセミナーと同じ日、同じ場所で、その午前中にやっています。多施設研究を前提としたサポートばかりでなく、もっと小さい単施設研究の支援もしています(こっそり相談していただいくのも大歓迎です)。
何かを変えたい、そのために誰かを説得したい、そのためにはデータを示しながら説得する方が説得力が増す(オラの治療が一番的な主張も論拠に説得力がないと聞いている方がつらくなりますよね、なんだかどこかの政治家、宗教家の主張みたいで)。データは説得力があるほど良い、聞いている方が身近に感じられるほどよい。データがなければ自分たちで出す。いくら正しい方法論でやってもポジティブなデータが出なければ素直にその主張を取り下げる。道は厳しいです。
その上、いくら素晴らしいデータで説得しても動かない人、聞く耳を持たない人がいることはみなさんもご経験済みですね。データは説得のための一道具でしかない。良いようにも悪いようにも利用されてしまう。
ヒトの思惑はときにとても重く動かし難いものですが、1mmも動かないものでもありません。10人いれば1人、2人と賛同者が現れます。動かそうと頑張っているとあるポイントから急に動き始め、加速度がつくことがあります。
せっかくのGWなので前向きな結語にしておきます、一応。