僕の読書遍歴(1)
僕は本に囲まれて育った。父親は大学教授で本の虫。書斎のみならず、家中に本があふれていた。子供の頃の僕には読める本はなかったが、「本は面白いもの」という刷り込みがなされたのであろうか、僕は、小学校の図書館にこもる子供になった。小学校では、江戸川乱歩、ルパン、ローマ帝国衰亡史(の子供版)に夢中になった。ミステリーと歴史好きの萌芽はすでに現れていた。他方、いわゆる「文学」には全く興 . . . 本文を読む
これは類書のない本ですね。
事例はすべて羽生さんの実戦例で、羽生さんの思考が追体験できます。
浅川特有の両面上下逆印刷なので、情報量も満載。
多くの将棋本は、「これで先手優勢」などの場面で終了していますが、これは、どうやって詰みに持って行くか(寄せるか)ということがテーマですので、終盤力のない僕には非常に参考になります。
あまりの素晴らしさに2冊買いました。
羽生善治の終 . . . 本文を読む
エール大学のDr. Vanceの手による英単語本です。
英単語本は山ほど買いましたが、ビジネスの現場で英語を使う必要性に迫られたら、この本を読むべきでしょう。
timeline, note, highlightなど、ビジネスエリートが頻繁に使用する英単語について明快な解説があります。もっとも、著者がイギリス人なので、「ビジネスエリート」と言ってもブリティッシュ・イングリッシュを使用する「ビジネ . . . 本文を読む
読者が選んだ人気ランキングと東野さん自身の自作に対するコメントが付いています。最近ファンになった方にも、古くからのファンにも楽しめる一冊で、コスパは抜群東野さんは、僕より10歳年上であり、「放課後」は高校時代にドキドキしながら読みました。ただし、「卒業」にはついていけず、そのうち、ミステリから遠ざかり、ダブル村上に走ったため、大学時代は読んでいません。司法試験勉強中は、新本格ブームの到来により、綾 . . . 本文を読む
東城大シリーズ極北編の新刊です。
北に行った花房と速水が世良と交錯します。
テーマは、過疎地域における医療の在り方でしょうか。
読み進む内に「医者になれば良かったな」という考えが頭をよぎりました。無人島に集団で置き去りにされた場合、弁護士はいなくても問題ないですが、医者はいないと困ります。 LOSTでも、医者がリーダーシップも発揮しますしね。
速水の名言:「会社には利益を追求す . . . 本文を読む
東野さんは大阪人ということもあり、ユーモア小説も得意ですね。ブラックですが。
このシリーズは買って損はないですが、刊行順に読む方が良いですね。
歪笑小説 (集英社文庫)
クリエーター情報なし
集英社
. . . 本文を読む
東野さんの最新作です。
相変わらず上手い職人芸ですね。
しかし本格ミステリではありません。
本書は、いろいろな位置づけが可能でしょうが、僕は、社会性のある娯楽作品と理解しました。
最近の作品の中では「パラドックス13」に近いという印象を受けました。
東野さんは、本当に芸風が広いです。尊敬します。
プラチナデータ
クリエーター情報なし
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不愉快なことがあると本屋を徘徊するのだが、平成版「砂の器」という趣旨の宣伝文句につられて買ってみた。
警察捜査、SC事業・食肉加工業界2分野のディテールが圧巻。相当な取材力。登場する職人肌の刑事達も魅力的。
ただし、殺人の動機に疑問は残るし、「協力者」の正体もばればれ。不自然な会話・行動も目につく。
「砂の器」には遠く及ばない。
とはいえ、これらの欠点を補ってあまりある迫力とテーマ性が感じ . . . 本文を読む
会社がなぜ消滅したか―山一証券役員たちの背信 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社
本書は山一証券事件についての優れたレポートであり、オリンパス事件を考えるに当たって参照すべき文献の一つです。
普通の人々が粉飾決算とその隠蔽工作に関与していったのは何故か。
その一つの理由は、会社という営利社団法人(ゲゼルシャフト)が個人としての生活の . . . 本文を読む
〈反〉知的独占 ―特許と著作権の経済学
クリエーター情報なし
エヌティティ出版
この本は、特許と著作権が、過去の歴史を参照し、イノベーションの促進に貢献した事実はなく、むしろ、有害であるとの認識を元に、発明と著作物について、特許と著作権という形で独占権を与えることに疑問を呈するものです。
確かに、歴史的は、知的財産法がなくとも、各種の発明 . . . 本文を読む
僕の中では、大国の興亡→文明の衝突→21世紀の歴史の系譜につながる世界史を俯瞰するための1冊です。
著者は中国系のチュア教授。
教授によると、「最強国」の条件は、「多元主義と寛容」とのこと。
この観点からすれば、EUも中国も、しばらくは「最強国」にはならず、米国の1極優位が続く可能性が高いだろう。これを崩すのは、過去の最強国の転落原因と同様に、アメリカ自身が「排外主義」を . . . 本文を読む
著者のアイエンガー教授が「盲目」という点に惹かれて購入しました。自分は円錐角膜なので常に視力低下の恐怖におびえているからです。
さて、内容は、極めて斬新。
インドからの移民でシーク教徒という著者の出自を背景にしており、さらに、心理学的実験に裏付けられているだけに説得力があります。
「選択」は、知財法、ひいては、「法」一般の背後にあるキーワードの一つであり、「選択」について考察を深めることは、 . . . 本文を読む
大好きなガリレオシリーズの最新作です。
東野さんとは自炊代行についての見解が真っ向対立なのですが、つい、買ってしまいます。
このシリーズ、湯川が、徐々に人間的になっていく感じがしますね。
湯川と少年との交流が微笑ましい。
社会的テーマとしては環境問題とサイエンスですね。人間はサイエンスの力を使って自然を克服してきた以上、環境破壊は不可避なのかという疑問に対して、湯川の回答はいかに?
この . . . 本文を読む
新年、最初の書評は、このミス1位「ジェノサイド」です。
「このテーマで来たか~」ですね。書いてしまうと、読書の楽しみを奪うので、「ガンダム世代にはたまりません」とだけ言っておきます。
最初の部分で、青色ダイオード訴訟の和解金が少なすぎて、理系研究者の夢が奪われた云々という趣旨の記載がありますが、全体の流れからすると、作者の真意は違うのでしょう。しかし、この点は明示されていません。読者の良識に委 . . . 本文を読む
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