知的財産研究室

弁護士高橋淳のブロクです。最高裁HPに掲載される最新判例等の知財に関する話題を取り上げます。

LUNA商標審取

2012-06-14 06:18:57 | 最新知財裁判例

LUNA商標審取
平成24年(行ケ)第10011号,第10012号 審決取消請求事件
請求認容
本件は商標の一部取消審決の取消しを求めるものです。
争点は,指定商品に関する「使用」の有無です。
裁判所の判断は7ページ以下
1 本判決は、まず、「使用商標1は,「N」の文字が小文字となっているものの,本件商標1と同一の欧文字を図案化したもので,本件商標1と社会通念上同一と認められ,さらに欧文字「LUnA」(LUNA)を片仮名書きすると「ルナ」となり,また「ルナ」の称呼を生じることから,本件商標2とも社会通念上同一と認められる。使用商標2は,使用商標1と同様に図案化した欧文字「LUnA」の上方に,塗り潰した円内に欧文字の「L」を図案化した模様を白抜きで記した図形を配してなる外観を有するものであるから,「ルナ」の称呼を生じ,本件商標1,2と社会通念上同一と認められる。そうすると,原告は,平成21年ころ,その販売商品であるネオンブラケットの広告に,本件商標1,2と社会通念上同一と認められる商標を付して使用したものである」と認定した上で、「ネオンブラケットが用いられるパイロットランプは,これが取り付けられた機器の状態(例えばスイッチのオン,オフ)を示す表示灯としての機能を果たすものであるが,甲第25,第44号証によれば,ネオンランプ(ネオンブラケット)をその定電圧特性を活かして回路保護のために用いることがあることが認められるから,上記カタログにおける使用商標1,2の使用をもって,「電子応用機械器具及び部品」についての使用と評価することが可能である」と判断しました。
2 本判決は、次に、「原告は,平成20年7月ないし平成23年1月ころ,顧客に対し商品「センサー用LED基板Assy」,「拡散照明装置」,「透過照明装置」,「2面バックライト照明」を納入するに当たり,取引書類である納品書や納入仕様書に使用商標1を使用したことが認められる。上記「センサー用LED基板Assy」は基板上に複数のLED(発光ダイオード)を並べて実装したもの(甲10),「拡散照明装置」,「透過照明装置」は基板上にLEDのほかに,ツェナーダイオード,トランジスタ,コンデンサー等を実装して装置を構成したもの(甲11,12,29,30,51),「2面バックライト照明」も基板上にLEDのほかに,定電圧ダイオード等を実装し,偏光板と組み合わせるなどして装置を構成するもの(甲13,14)であるが,これらは顧客が画像
解析装置を製造するために,注文を受けた原告においてその構成部品(装置)を設
計,製造したものである(弁論の全趣旨)。ここで,上記「センサー用LED基板A
ssy」等が画像解析を行うために,対象となる物に光を照射する機能を果たすも
のであるとしても,日常生活において光を照らして空間を明るくする目的とは程遠
いことは明らかである。そして,上記「センサー用LED基板Assy」等は,電
子部品であるLEDやダイオード等を使用して構成されており,その機能に照らせ
ば,電子の作用を応用し,その電子の作用が当該機械器具にとっての構成要素とな
っているということができる」と認定した上で、「原告は,「電子応用機械器具及びその部品」につき,取引書類である納品書や納入仕様書に使用商標1を使用したということができる」と判断しました。
3 本判決は、当該使用標章がどの商品に対して使用されたのかを認定する一手法を示すものとして参考になると思われます。

 


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