知財部裁判官(棚木さん)による著作権裁判例の紹介です。
1 TVブレイク事件
平成21(ネ)10078
棚木さんによると、著作権侵害行為の主体の認定に関して、「行為の内容・性質」をメルクマ-ルとしてあげている点において、ファイルローグ事件に近いとされています。
また、同判決は、プロバイダ自身が侵害行為の主体であることを理由としてプロバイダ責任制限法の適用も否定しています。
2 弁護士のくず事件
平成22(ネ)5534
本判決は、エピソードやアイディアの共通性は認めつつも、問題とされる表現がありふれたものであることを理由として、被告書籍各部分が原告書籍各部分の翻案に当たらないと判断しました。
棚木さんによると、実在の事実ないし事件における同一性は、表現それ自体ではない部分において同一性が認められずにすぎず、翻案権の侵害の根拠となるものではないとのことです。
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