スペクトル審取
平成23年(行ケ)第10260号 審決取消請求事件
請求棄却
本件は拒絶査定不服審判不成立審決の取消しを求めるものです。
主たる争点は,進歩性です。
裁判所の判断は21ページ以下
1 本判決は、周知例の記載から、「OCT等を含む光学測定分野において,信号光と干渉させるべく位相が変化し得る参照光を得る手段として「非反射性の遅延装置」は周知技術であること,また「非反射性の遅延装置」と「反射性の遅延装置」のいずれを採用するかが選択事項であることは,(1)でみた周知例1~3及び乙1の記載から明らかである」と認定した上で、「引用例には,光断層像計測装置の従来技術として図4及び図5に関連する二つの例が記載されており,前者の図4は,信号光と干渉させるべく位相が変化し得る参照光を得る手段として,光路上を移動して参照光を反射する「可変遅延装置」(【0005】,【0015】)であり,後者の図5は,「可変遅延装置」に代わる,「遅延素子15」を裏面に配設する「反射鏡14」(【0023】)を含む光断層像計測装置である。審決は,後者の図5についての光断層像計測装置をもって引用発明として認定したものである。 そして,これらの記載が「反射鏡14」を限定列挙する趣旨とは解されず,引用発明の参照光を得る手段を上記の周知技術を用いて実現することを阻害する記載も見当たらない。そうすると,引用発明における,信号光が反射される部位からセンサーまでの距離に応じた様々な位相の参照光を得る手段として,図5の「遅延素子15」が裏面に配設された「反射鏡14」を用いた構成に換えて,周知技術である非反射性の遅延装置を採用して参照光となる第2電磁気放射を非反射性参照体からのものとすることは,機能的に等価な周知技術の選択であって,当業者が容易に為し得たことである」と判断しました。
2 本判決は、「機能的に等価な周知技術の選択」というロジックにより進歩性を否定した例として参考なると思われます。
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