元商法立法担当者稲葉先生による大著(700頁超)です。何とか半分読めたたので、感想を書き始めます。
いきなり終章ですが、「会社法が残した課題」とあります。
柱は、①会社法の枠組み、②公開会社法制、③企業結合法制、④会社法における規律確保、です。
①では、「基本ソフトとしての株式会社法制(フォーマット)の初期設定のおかしさ」が指摘されています。
また、今後の会社法制の検討に際して、業績不振の突破口としての制度改革への期待についての経済界の自覚の必要性が述べられています。
②では、金商法と会社法の調整の問題点の洗い出しが焦眉の課題であるとされています。
TOBに関しては、公開買付期間完了後の株主の売り付け請求権を法定することが提案されています。これは、自主的ルールとして導入することもできそうですね。
③では、親子会社に関して、権限には責任が伴うことを原則とするという観点からの整理が十分ではないとの鋭い指摘があります。
④では、組織再編の比率の不公正、募集株式の発行等についての指摘がなされています。
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