知的財産研究室

弁護士高橋淳のブロクです。最高裁HPに掲載される最新判例等の知財に関する話題を取り上げます。

血管老化抑制剤審決

2011-01-20 22:24:53 | 最新知財裁判例

平成22(行ケ)10055

請求棄却

容易想到性を理由とする拒絶査定不服審判請求不成立審決を支持したものです。

引用発明に周知技術を適用してコラーゲンを魚由来とすることは容易想到であると判断しています。その理由との一つとして、BSE問題が騒がれていたことから、畜肉由来のコラーゲンに代えて魚由来のコラーゲンを使用する動機づけがあるとしていますが、「BSE問題が騒がれていた」という事実がなかったと仮定した場合でも、魚由来のコラーゲンが人体に安全であることが技術常識であるところ、人体に作用させる血管老化抑制剤について人体への安全性を高めることが課題であることも周知技術ですから、結論として、畜肉由来のコラーゲンに代えて魚由来のコラーゲンを使用する動機づけがあると解されます。


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