平成22(行ケ)10430:1部
請求棄却
本件は、無効審判不成立審決について取消を求めるものであり、争点は、容易想到性の有無です。
第1に、「チオールやメルカプタンなどの硫黄含有物質」について、「PCTP」という特定の化合物を用いることに関しては、①チオールが非常に広範な化合物を含む概念であること、② 全ての 「チオールやメルカプタンなどの硫黄含有物質」が硬化抑制機能を有するとの技術常識があるとはいえないこと、③PCTPが硬化抑制化合物であることを認めるに足りる証拠もないこと、から、容易想到性を否定しました。
第2に、甲4発明の「DPTT」に代えて他の化合物を利用して同等の効果を得ることについては、ラジカル捕獲剤の全てがクラフト鎖の長さを調整する機能を有する技術常識や証拠は示されていないこと等を理由として、容易想到性を否定しました。
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