知的財産研究室

弁護士高橋淳のブロクです。最高裁HPに掲載される最新判例等の知財に関する話題を取り上げます。

椙山敬士「著作権論」を読む(1)

2011-03-18 05:52:58 | 著作権

第1部は、現行著作権法の主要課題です。現在、立法提案をするグループの準備中ですので、参考になります。ポイントは以下のとおり。

1 登録制度

現在、著作権は無登録で保護されますが、一定期間経過後に権利を主張するr者は、何らかの更新登録が必要との制度が言及されています。

2 公衆送信権

「放送」とのバランスから、「公衆」の範囲が広すぎるという指摘がなされています。横道ですが、「原則は広く、例外は狭く解釈する」のが慣行であり、それは、「脳の運動法則か何か知りませんが」と書かれています。これぞ、椙山節です。私見では、「例外を広く解釈する」と原則と例外が逆転することが問題の本質と思いますが、このように考えれば、例外を広く解釈しても、原則の適用範囲の広さが維持される限り、問題ないと思います。

3 特掲条項(著作権法61条2項)

削除等が提案されています。何らかの対応が必要なことは異論ないでしょう。

4 保護期間

著作者の死後も保護が継続するのは問題との指摘がなされています。同感です。

5 フェアユース

フェアユース条項の導入が提案されています。技術革新、インターネットビジネスの支援という観点からは必須です。これまで、フェアユーズ規定がなために、どれほどの国富が喪失されたのか、嘆息するばかりです。

 

 

 

 


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