平成23(ワ)131
請求棄却
本件は意匠権侵害事件です。
争点は明確性要件違反の有無です。
裁判所の判断は21ページ以下
本判決は類比の判断手法について、「類比の判断は、両意匠を全体的観察により対比し、意匠に係る物品の性質、用途、使用態様、更には公知意匠ににない新規な創作部分の存否等を参酌して、当該意匠に係る物品の看者となる需要者が視覚を通じて注意を惹きやすい部分を把握し、この部分を中心に対比した上で、両意匠が全体的な美感を共通にするか否かによって類否を決するのが相当と判断しました。
そして、本件においては、骨格をなす構成において共通するものの、把持部分の形状等の差異点が、全体的観察において異なる美感をもたらすことを理由として、被告意匠と本件意匠との類似を否定しました。
本判決は、意匠の類比判断に関して、意匠法26条2項の改正を反映した判断基準を示した重要判例の一つといえます。特に、「注意を惹きやすい部分」の認定の考慮要素として、「公知意匠ににない新規な創作部分の存否」をあげている点が注目されます。
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