8月10日から12日まで、第34回島崎藤村学会が、2007年島崎藤村学会・大韓民国日本語文学会国際学術会議として、関西学院大学西宮上ヶ原キャンパスでひらかれました。
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1日目は日韓学生交流会、韓国の学生たちは、歓迎のあいさつの後、大学の茶室で茶道の経験をしました。
その後の交流会では、日本側からソーラン節の踊り、韓国側からは大邱芸術大学の先生の「アリラン」の熱唱などの後、6つのグループに分かれて、自己紹介、私たちのテーブルでは、韓国のゲームをして盛り上がりました。
韓国の学生たちは、お土産を準備してくれていました。
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このたびの宿舎は、参加者が独自にとったのですが、広島から参加の3人は、宝塚市の手塚治虫記念館の斜め前のプチホテルでした。
2日目の朝、その前を通って、阪急宝塚南口駅へ、火の鳥が歓迎してくれます。
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宝塚歌劇場を望む橋の上の彫刻です。
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歩道の下水の蓋は、さすが、すみれの花です。
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2日目、研究大会がはじまりました。
学生たちは、書道、相撲体験をして、大会には、一部だけの参加でした。
今回の学生は、日本語専攻の学生たちだけではなく、芸術大学の学生もいっしょだったので、研究発表の資料は韓国語のも準備されました。
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両国の研究者からの発表が続き、午後は、シンポジュウム「日本自然主義をどうとらえるか」でした。
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学会員の年齢は比較的高いのですが、若い研究員も育っています。
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夜は、キャンパスの中の関西学院会館で、懇親会です。
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まずは、乾杯、交流を深めます。
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懇親会の終りに、これまでの「惜別の歌」ではなく、やはり藤村が作詞した「椰子の実」を歌いました。
2次会は、場所を移して、また、盛り上がります。
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3日目は、臨地研究です。
藤村や他の文学者たちの足跡を巡ります。
関西は、藤村が22歳の時、関西漂泊の旅に出かけた所です。
甲山から宝塚、西宮を一望してから向かった「虚子記念文学館」の句を記したタイルのレリーフです。
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日本で一番美しいといわれている夙川カトリック教会です。
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明治37年(1904年)、関西学院のチャペルとして建てられた由緒ある建物が「神戸文学館」になっています。
特別展示は、灰谷健次郎さんでした。
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藤村が泊まった旅館「葛城旅館」、「畠中旅館」、「備後屋」は、震災があったこともあり、ここではないかといういう場所の限定がはっきりできないとのことで、時代の流れを感じさせられました。
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遠藤周作さんが日本で一番美しい道と言われた仁川からの道も、いつか歩いてみたいし、すきな作家島尾敏雄さんの旧居跡、谷崎潤一郎さんの「倚松庵」なども、時間切れで行けなかったので、また、訪れてみたい場所となりました。
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今回の大会は、西宮の香櫨園で生まれて小学校入学までを過ごし、父が神戸一中の出身ということもあって、両親からよく聞かされていた地名が、やさしく語りかけてくれた旅でもありました。