薫さんの〔宇山 たま 玉 たま5〕
宇山の人たちと切り出した宇山の竹で作られています、小高い丘の上なので、登らずに下から見上げて撮りました。
作者の言葉では、宇山を創る自然の4大元素「空気(風)、火(陽)、土、水」と宇山の人たちが宇山の玉5だと表現されています。
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鳥谷部圭子さんの〔STAR CHILD〕
宇山の地に宇宙からのメッセンジャー「STAR CHILD」が降りてきたという発想からはじまったそうです。
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随行奏子さんの〔林に、ぬ〕
「自分の意思や作品自体、意味のないものを作ろう」と場所の持つ圧倒的なエネルギーを前に思ったとのことでした。
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杉谷一考さんの〔monster〕
竹林の中で息づく陶の作品です。
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もうひとり(小野環さん、三上清仁さん)の〔Scab〕
人が通らなくなった道の傍らで傾き、かろうじて建っていた小屋を見つけて、その小屋が眺め続けてきた宇山の時間を浮かび上がらせたいと思ったそうです。
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中を覗くと、曲がった古い竹がその時間を静かに語ってくれました。
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大成大輔さんの〔巡り〕
ここ数年の作者の環境や心境の変化はとても大きく、それが作品に投影されて、「巡り」は心のなかのローテーションを示しているそうです。
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友定睦さんの〔Law Materials〕
現在は使われなくなった倉庫に、宇山の村内から集めた廃材などで作られた巨大な蜘蛛が現れました。
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人々と農耕に従事した牛たちが大事にされていたことを物語る牛神社の祠、そこの能舞殿には、
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向井じゅんこさんの〔田園〕
田植え前の水面に映ったある風景が置かれているそうです。
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大島愛さんの〔いたちごっこ〕
宇山の緑を素材に取り入れたアニメーションだそうですが、プロジェクターの故障で見ることができませんでした。
★、
9月8日から23日まで東広島市河内町宇山でひらかれている「宇山DNA」の作品を紹介しています。
作品紹介は明日まで、明後日の宇山で出合った花たちの紹介で終わる予定です。
★★★
和さんのコメントを読んで「作家所感」を追記 12:45
大成大輔〔巡り〕
この宇山の土地が長い時間をかけて変化していく様に、私の人生における短い制作活動の中でもたくさんの変化があります。
ここ数年の私自身の環境や心境の変化はとても大きく、それはおのずと作品に投影されます。
「巡り」とは心のなかのローテーションを示します。
友定睦〔Raw Materials〕
耕作地において農業害虫の天敵である蜘蛛は、益虫として重視されてきました。また、日本では古くから蜘蛛を縁起の良いものとする風習があったそうです。しかし、現代では不気味な容姿や、家中に巣を作り壁を汚すことなどから害虫とみなされています。
現在は使われなくなった倉庫に蜘蛛はお役御免ですが、皮肉なことにどんな害虫もやっつけてしまいそうな巨大な蜘蛛が現れました。この蜘蛛は宇山の村内から集めた廃材などを用いて作られています。
杉谷一考〔monster〕
私は自分自身の内面、あるいは「人」そのものの普遍的な精神のありようを陶を素材として制作しています。今回、出品する「monster」という動物のようなものは、その世界観を表す象徴的な存在です。
私を含め、「人」というのは自分自身の中に何かよくわからない、理解できなかったり意識できない部分、そういうものを「monster」として表現しています。また、制作のイメージを小説から得ることが多く、特に今回の作品はカポーティ著の「冷血」という小説から影響を受けていたりします。作品を設置する場所は竹林という野外になり、太陽の光で作品の表情が微妙に変化するように釉薬をかけました。今回の展示では、竹林という空間がある種の非現実的で不思議な空間になればと思っています。