Teddy Bear’s Diary

自作のテディベアの写真で、絵本を読んでいくようなページをつくりたい

富士山うたごよみ

2013-03-20 | テディベア

こんなに楽しい富士山をみたことがありますか。

 

ぼく、はじめて、みました。

 

啓蟄 三月六日頃 冬眠をしていた虫たちが、目を覚まします。土の中から出てきて、たっぷり太陽の光を浴びます。
君の指から吾の指へ伝い来る
てんとう虫のたしかな歩み

世界には、小さいけれどたしかなことって、たくさんあるんだよ。
たとえば虫を手の上にのせてごらん。どう? くすぐったい? それが生きているってことだよ。

 

春分 三月二十一日頃 昼の長さと夜の長さが同じになります。明日からは、だんだん昼の方が長くなっていきます。
ぶらんこにうす青き風見ておりぬ
風と呼ばねば見えぬ何かを

風って言葉を、はじめて考えた人って、すごいと思わない?
目に見えないものに名前をつけたんだからね。風っていう言葉を知ると、風を感じるね。

 

清明 四月五日ごろ 外の空気が清らかで、心の中まで明るく感じられるころです。草木が芽吹き、、花も咲きはじめます。
さくらさくらさくら咲き初め咲き終わり
なにもなかったような公園

桜の季節になると、日本の人は、そわそわして、うきうきして、わいわいするよ。
でもさくらは、あっという間に散ってしまう。まるで夢だったみたいにね。

 

穀雨 四月二十日頃 田んぼや畑の準備が整いました。それに合わせるかのように、穀物を育てる雨が降ってくれます。
サ行音ふるわすように降る雨のなか
遠ざかりゆく君の傘

雨って、いろいろあるよね。ざあざあ降るのは、どしゃぶりの雨。さっと降るのは、通り雨。
急に降るのは、にわか雨。春雨、五月雨、氷雨、村雨……。キミも、雨に名前をつけてみない?

 

春一番の思いよ届け
青空はあなたに続く色の階段

絵本「富士山うたごよみ」はだいすきな俵万智さんの短歌とU・G・サトーさんの絵、立春からはじまります。
今日は春分の日、くーたんが3月と4月のページをご紹介しましたが、1年中のすべてが瑞々しい感性の歌とびっくりするようなすばらしい絵で綴られています。
一度にご紹介したいのですが、あまりにもすてきなので、季節が巡ってきたときに、すこしづつご紹介できればと思います。

 

1枚目の写真の帯で隠れていた富士山の裾野、

 

おふたりのプロフィール。
俵万智さん公式ホームページ
U・G・サトーさん公式ホームページ


最後に児童文学者松居直さんの絵本紹介の文章を記しておきます。
 目に見えないことばが、目に見えない心を動かし、人を生かします。命もことばで働き、愛もことばで感じます。気持ちをことばにできたとき、また絵をことばで唄いあげたとき、ことばは生きる力です。
 二十四歳でまぶしいばかりの若さと生命力にあふれた歌集「サラダ記念日」を、世に出された俵万智さんのことばの力。U・G・サトーさんの伝統的な日本の美術工芸の粋を生かした、ユーモアあふれる発想力と新鮮な造形感覚。それらにより創造されたこの画文一如の作品は、絵本芸術に新しい輝きをもたらすものです。
 それは絵とことばと友達になる絵本、くらしを楽しくすることばの湧き出る絵本です。この絵本を手にすることは、ことばの泉を手にすることです。



からくりワンダーランドのワークショップで作った作品を原田めぐみさんがブログで紹介してくださっています。
二象舎メグ日記