スマート詩吟は面白い

スマート詩吟及び福祉詩吟は私の造語です。それらの普及を図っていきたいと思います。

闘病記22/24回(竜宮城への旅が終わって)

2012-12-24 21:52:16 | エッセー「竜宮城への旅が終わって」

 

11.これから

 

24時間妻と殆ど一緒である。この様なことは現役時代全く無いし考えてもいなかった。

森山氏から「人生は二度生きる!!及び「新しいステージにいらっしゃい!!ということを未だ素直に受け取れていない。

発症当時目標も希望も殆ど失くしてしまっている自分に対して障害の受容は未だ未だ出来ていない。

健常時と比較すると全ての活動を金銭に換算した経済活動から全く稼げない違う世界に落ち込んだ訳であるが、私は障害者になって強く思うことは健常時のままだったら

サラリーマンの枠を出て自分から「何かを始める」、「何かを止める」及び「何かを変える」ことは決して無かったと思う。

森山氏は「出来ないことは出来ない。それでも新しいことを発見していけば良い。
これが障害の受容かもしれないと思った」と述べている。

身体のどこか一つ不自由があるだけで他人への優しさ・思いやりが変わるものかということを肌身に感じている。何かのきっかけで受容できると思う。

 趣味の詩吟では本年春の大会に練習している仲間67名と一緒に舞台で新島襄作「寒梅」を吟じた。こ
の詩は全てに先駆けて咲く梅の精神の大事さを説いたもので、現役時代好きな漢詩の一つであった。自分自身への懐かしさを感じると同時に、退院して1年目のことで皆なと同じ世界を共有出来たことは胸に迫るものがあった。秋の大会では独吟にも挑戦するつもりである。「仲間」とか「絆」とか「思いやり」とか私の心の奥底には幼少の頃から存在していた気持である。

最近これらの気持ちは全ての場面で具現化しようとしている。晴れ晴れしく、すごくうれしい気持ちである。その様な気持ちから「みんな違ってみんな良い」という金子みすゞのメッセージ「私と小鳥とすずと」を吟じるつもりである。

趣味の詩吟が受容のきっかけを与えてくれる気がする。秋の大会が楽しみである。また執筆最中に地区の夏祭りでこの詩吟を皆さんに聞いてもらえたので、なお一層精進する気持ちを持った。

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闘病記21/24回(竜宮城への旅が終わって)

2012-12-24 21:51:01 | エッセー「竜宮城への旅が終わって」

 

10.家族

 

 妻は今回の病気に接し気丈に献身的に尽くしてくれた。思い起こせば健常な時も同様であった。病気になってから改めて妻の有難みを深く認識した。

妻の友人がお見舞いに尋ね私独りの時に

「彼女は私の前で泣いているのよ!!頑張っている様に見えるけど・・・」と言った。

気持ちを込めて妻に恩返しは出来ないが、今は元気になることだけである。

 

 長男は近くのマンションに独り暮らしで会社勤めの傍ら、演劇のシナリオ創作に夢中である。

3回ほど観劇の機会があった。ペンネーム穂村一彦作「タナトピア」は今まで経験したことが無い別世界を私に紹介するが如くオリジナリテイがあって興味を持った。これも竜宮城の一つかもしれない。もっと連続して公演すると良いと思うが素人集団の趣味の域だから無理からぬことであろう。長女は私達の自宅に居候している。20歳代で読んだ石川達三「稚くて愛を知らず」と似た様なトレースである。失うものの大きさを知り、早く自立して欲しいと思う。

私の年齢になると孫がいるのが普通であるが、二人とも未婚の為未だその芽は見ない。

この病気になってから尚更その芽を早く出してもらいたいと思う。

病気は精神的、気持ちの問題でもあるから芽が出ると症状が和らぐかもしれない。

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