西日本新聞 第1面・コラム 【春秋】 から。
経済同友会の終身幹事だった品川正治さん
が先月下旬、89歳で亡くなった。「財界のご意見番」だった。
西日本新聞 【春秋】- 2013年09月11日(水) 10時32分
経済同友会の終身幹事だった品川正治さん(日本火災海上保険〈現日本興亜損害保険〉元社長)が先月下旬、89歳で亡くなった。
「財界のご意見番」だった。 そう呼ばれる人は少なくなったので、惜しまれる
▼「財界の総本山」を批判したこともあった。2004~05年に日本経団連が、武器輸出を禁じた武器輸出三原則の緩和をまず提言し、憲法9条を改正して集団的自衛権の行使を明記するよう求める提言もまとめた時のことだった
▼「無節操ぶりが恥ずかしい」と本紙に寄稿した。「ビジネスチャンスを拡大するために国の在り方に手を付けようとしている」と書いた。軍産複合体国家である米国の軍需産業と交流している企業などの思惑にも触れていた
▼品川さんは旧制三高に在学中の1944年に召集され、兵士として中国を転戦した。迫撃砲を浴びて死線をさまよい、脚に砲弾の破片を残したまま戦後を生きた。復員してすぐ新聞で読んだ新憲法、とりわけ9条を胸に刻んで生きた
▼「旧軍人であっても参謀や高級将校は前線から遠く離れた場所にいて、戦闘どころか空襲も食糧難も知らない人が多い。私の戦争体験は財界の中では異端かもしれないが、一般市民からすれば圧倒的多数派だろう」とも書いていた
▼各地の「9条の会」に招かれ九州にも何度も足を運んだ。戦争は「国が起こす」というが、「人間が起こすのだ。止めるのも人間だ」が口癖だった。
=2013/09/11付 西日本新聞朝刊=
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日本共産党・志位委員長の追悼のつぶやき (公式Twitterより)
志位和夫 @shiikazuo 9月7日
品川正治さん(経済同友会終身幹事、全国革新懇代表世話人)の訃報に接し、深い悲しみにうたれています。革新懇の会合や「赤旗」の対談で親しく議論をさせていただき、たくさんのものを教えていただきました。憲法9条を守れと情熱を燃やす姿に、畏敬の念を抱いていました。心から哀悼を申し上げます。
志位和夫 @shiikazuo 9月7日
品川さんは「人間の目で物事を見る」ことで一貫しておられました。「戦争を起こすのも人間、止めるのも人間」。「人間の目で経済を見る。軸足を企業から家計へ」。対談でのべられたずっしりと重みのあるいぶし銀のような言葉。「『新しい社会主義』を考えざるをえなくなる」。この言葉も印象的でした。
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