米軍がイラク北部を空爆
(産経新聞) - 2014年8月8日(金)22:16
【ワシントン=青木伸行】
米国防総省は8日、イラク北部でイスラム過激派「イスラム国」への限定的な空爆に踏み切ったと発表した。2011年の駐留米軍撤退後、イラクで初の本格的な軍事行動となる。イラク北部シンジャールの山頂に、クルド民族の住民約4万人がイスラム国に追い詰められ、死者が出ているためで、イラク情勢は新たな局面を迎えた。
現地の住民約4万人には十分な食料や飲料水がなく、すでに40人の子供が、高温と脱水症状のために死亡したとされる。
このため、オバマ米大統領は7日朝、ホワイトハウスで安全保障担当補佐官らと対応を協議し、限定的な空爆と、人道支援物資を空中からの投下することを検討。この結果、米軍輸送機機による物資の投下を同日、開始し、戦闘機が護衛した。
アーネスト大統領報道官は、シンジャールの住民が置かれている状況を「イスラム国の攻撃による人道上の惨事」と批判した。同時に「武力によるイラク問題の解決はない」とし、地上軍は派遣しない方針を堅持していることを強調した。
今回空爆に踏み切ったのは、シンジャールで追い詰められた住民の保護を目的としており、やむを得ないと判断したためだ。他の都市にまで空爆の対象を広げるか不透明だ。
米軍、イスラム過激派空爆
=北部アルビル近郊で―米施設防御で「直接行動」・イラク
(時事通信) - 2014年8月8日(金)23:28
【ワシントン時事】
米国防総省は8日、米軍機がイラク北部のクルド人自治区アルビル近郊で、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に対し空爆を加えたと発表した。イラクでの米軍の空爆は、2011年12月の駐留米軍撤収後、初めてとみられる。米国は、攻撃対象を絞った限定的な形ながらも、武力行使によってイスラム過激派の勢力圏拡張を阻止する意思を鮮明にした。
国防総省のカービー報道官が声明で明らかにしたところでは、2機の戦闘攻撃機FA18が米東部時間8日午前6時45分(日本時間同日午後7時45分)ごろ、イスラム国の移動式火砲にレーザー誘導爆弾を投下した。イスラム国は、この火砲を使ってアルビルを守備するクルド人部隊を攻撃していたという。
報道官は、アルビルには米要員が駐留していると強調。「イスラム国が米要員・施設を脅かした場合、米軍は直接的行動を取り続ける」と警告した。
イスラム国は今月に入ってイラク北部で大規模な攻勢を開始し、少数派ヤジディ教徒が住むシンジャルなどを制圧した上で、アルビルをうかがっていた。アルビルはイラク北部の戦略的要衝であると同時に、米石油メジャーが進出する経済拠点。米軍はイラク政府軍やクルド人治安部隊との共同作戦センターをアルビルに設置している。
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