JUNSKY blog 2015

私の時事評論等です
文化関係の記事は、
【観劇レビュー&旅行記】(ブックマークのTOP)
で書いています

年金投資ファンドは資産消失を虚偽報告 国策会社【エルピーダ】は破綻 

2012-02-28 19:04:54 | 政治
2012年2月28日(火)

 先週末・2012年2月24日(金)頃より、

大手格付け会社のアンケート調査で人気1位(2008年)を獲得したこともある、

表面的には人気も信用も高かった投資顧問会社・「AIJ投資顧問」(東京都中央区)

が顧客企業などから預かった年金資産の大半約2000億円を消失させた問題が

発覚しました。 

 これを受け

「金融庁は2月24日、金融商品取引法に基づき1カ月間の業務停止を命令した」

  と発表されました。

 朝日新聞などの記事によると、
【AIJは昨年3月末現在、安川電機やアドバンテスト、埼玉県トラック厚生年金基金など約120社の企業年金などから計2101億円の運用資金を預かっている。関係者によると、この預かった資産の大半が無くなっている。一方でAIJは顧客に対し、運用で順調に利益が得られているような虚偽の説明をしていたという。】
  となっています。

 すなわち、投資家や年金加入者に送達される報告書そのものが、虚偽であった訳で、

このような詐欺的手法は他でも行われている可能性があります。

 このため、金融庁は投資家の資金運用を一任されているAIJ以外の投資顧問会社

262社にも一斉調査を行うことを明らかにした、と報道されています。




 一方では、政府主導で再編された云わば日本最大の国策会社であった

「エルピーダ・メモリー」でさえ、多大な負債を抱えて会社更生法を申請する

(2012/2/27)ような不安定な時代でもあります。

 どちらの事件でも政府の取ってきた政策の破綻というべき事態でしょう。

 西日本新聞の2012/02/25付けの社説では、

【運用に苦しむこうした企業年金に、高利回りをうたい文句に誘いをかける運用業者が出てくることは当然予想できる。

 一方、証券取引法を改めて06年に金融商品取引法が国会で成立した。この法律の眼目は「貯蓄から投資」である。

 預貯金に偏った日本の金融のあり方を変え、株式投資などに誘導していく。このため、行政は公正で透明性のあるルールをあらかじめ示し、そのルールが守られているか事後的にチェックする。

 しかし、法律で定められた厚労省による企業年金の監督も、金融庁や監視委による資金運用業者に対する監督、検査も形式的だったと言わざるを得まい。】

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/288850

  と書いて、政府の「貯蓄から投資」への政策誘導がキッカケと

  なったことを指摘していました。

 時事通信(下記)によると、国による救済は期待できないとのこと。

年金消失、給付削減の恐れ=AIJ問題、88万人影響―国の救済期待できず
 (時事通信) - 2012年2月28日(火)18:03


 大元が国の『公的』年金制度そのものが、詐欺的手法で給付を延期・削減していることい対する自己防衛的な企業年金だったことが禍したのか?

 しかし、「AIJ投資顧問」はケイマン諸島のタックスヘイブンを経由したり

複雑な流れで金を動かしており、単なる投資や運用の失敗というよりは、

もっと悪質な犯罪を匂わせるところがあるようです。

年金資産、ケイマン経由で香港へ移転 AIJ投資顧問
 (朝日新聞) - 2012年2月25日(土)15:04




 年金専門誌は、既に2009年に怪し団体として指摘していたとのこと。

年金専門誌が09年に「日本版マドフ」と警告 AIJ運用資産消失問題
 (ウォール・ストリート・ジャーナル日本版) - 2012年2月28日(火)10:00


 やはり、日本の金融庁や証券取引等監視委員会(SESC)の監視システムが

機能していなかったことに最大の失敗があるようです。


*******************************************
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ  (左のアイコンをクリックして
              もらえたら嬉しいです)
*******************************************


年金消失、給付削減の恐れ=AIJ問題、88万人影響―国の救済期待できず
 (時事通信) - 2012年2月28日(火)18:03
 

 AIJ投資顧問の年金消失問題で、運用を委託していた企業年金基金は84基金に上ることが28日、判明した。年金給付の削減などで加入・受給者計88万人に影響が及ぶことが懸念されている。今回の問題は、1990年代からの金融自由化で、投資顧問会社が続々と年金運用に新規参入したことが背景にある。運用不振に悩んでいた年金基金が、高利回り運用をうたった投資顧問に飛びついたが、AIJのように実態が不透明な投資顧問も存在していた。

 基金が積み立て不足になった場合、基金に資金を拠出している母体企業が補填(ほてん)するのが現実的な対応となる。国も税金投入などによる救済措置は想定していない。

 しかし、複数の中小企業で構成する「総合型」の厚生年金基金の場合、穴埋めは経営の体力を低下させるため容易ではない。一方で穴埋めがなければ、現役世代の加入者は将来の給付削減という形でしわ寄せが生じる。現役から引退した受給者については3分の2以上の同意で、給付が減額される。 

[時事通信社] 



年金専門誌が09年に「日本版マドフ」と警告 AIJ運用資産消失問題
 (ウォール・ストリート・ジャーナル日本版) - 2012年2月28日(火)10:00
 

【東京】運用していた企業年金資産の大半を消失させた投資顧問会社、AIJ投資顧問について、 格付投資情報センター(R&I)が2009年に発行したニュースレターの中で米国の巨額金融詐欺事件になぞらえて、日本のマドフ事件になりかねないと警告していたことがわかった。

日本の金融当局は24日、AIJが運用する年金資産1830億円の大半が消失しているとして、同社に業務停止命令を出した。

R&Iは2009年の顧客向けニュースレターの中で、市場が落ち込んでいるにもかかわらず、AIJの運用利回りは不自然に安定していると警告した。ニュースレター「年金情報」編集長の永森秀和氏は、ニュースレターでは名指しこそしなかったものの、ほとんどの年金専門家にとってはAIJだとわかるような書き方だったと述べた。

R&Iがニュースレターで警告する1年前に、R&Iが実施した年金基金の顧客満足度調査ではAIJが1位となった。投資業界に詳しい複数の銀行関係者によると、AIJが常に高収益を上げていることは大手の資産運用会社の間で知られていたという。

>>全文は、jp.wsj.com へ

(記者:Kana Inagaki and Atsuko Fukase and Phred Dvorak ) 



年金資産、ケイマン経由で香港へ移転 AIJ投資顧問
 (朝日新聞) - 2012年2月25日(土)15:04
 

 独立系投資顧問会社のAIJ投資顧問(東京都中央区)が企業年金から運用を任された年金資産約2100億円の大半を消失させた問題で、同社が資産を英領ケイマン諸島のファンドなどを経て、香港の欧州系大手銀行に移していたことが証券取引等監視委員会の調べでわかった。ただ、その後のお金の流れが確認できていないため、監視委はほかの使い道に流用した可能性も含めて資産を海外に移した目的を詳しく調べる方針だ。

 監視委の検査で不正が裏付けられれば、金融庁はAIJの資産運用業者としての登録を取り消す方針だ。AIJは廃業となる見通し。資産を預けていた企業年金の財務が大きく悪化し、加入者にしわ寄せが出る恐れもある。

 監視委の調べなどによると、AIJは、個別の企業や中小企業などが集まって、公的年金の厚生年金と合わせて運用する企業年金「厚生年金基金」などの年金資産を運用していた。大手投資顧問会社を上回る高い運用実績を宣伝する手法で顧客を拡大。昨年3月末現在、約120の基金と契約を結んでいた。 



年金基金84、加入・受給88万人超=AIJへの委託残高1852億円―昨年3月末
 (時事通信) - 2012年2月28日(火)11:03
 

 AIJ投資顧問が顧客から預かった年金資産の大半を消失させた問題で、厚生労働省は28日、顧客の企業年金基金の状況(2011年3月末時点)を公表した。運用を委託していた年金基金は84基金で、加入・受給者は合計88万人を超えた。委託残高は計1852億6500万円だった。84基金の総資産は計1兆9109億7300万円あり、平均で約1割がAIJに運用委託されていた。

 厚労省は今後、基金のリスク管理などに関し実態調査を行い、分散投資義務などを定めた運用ガイドラインの見直しを進める。 

[時事通信社] 




*******************************************
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ  (左のアイコンをクリックして
              もらえたら嬉しいです)
*******************************************




コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。