JUNSKY blog 2015

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NHKスペシャル 「日中戦争」

2007-02-09 23:37:01 | TVレビュー
今、終わりました。

「一撃で終わらせる」
 軍部の独走。
イラク攻撃を行なったのはブッシュとネオコンでしたが、「一撃で終わらせる」と言いながら、今も泥沼にはまっている米軍も同じですね。

もっとも日本軍部の、取り分け中国派遣軍の参謀の独走と描くことで、日本政府の直接的責任を免罪していますがね。
一応近衛文麿の優柔不断は描いてはいましたが。

それと、南京虐殺は、ドイツの資料、日本軍の資料、日本軍人の目撃などから裏付けられていたようには思えます。
軍服を捨てて、便衣(民間服)で住民の中に隠れた中国軍兵士の策略のせいであるかのようにも描いてはいましたが。
それに関連して「戦時国際法」を適用するかどうかの判断で、この国際法の適用を逃れるために、「事変」と称して宣戦布告もなしにズルズルと戦線を拡大していった。そして「戦争ではないから、戦時国際法(特に捕虜に関する人道的取扱い)を適用するに及ばず、」と捕虜を虐殺するとは・・・
宣戦布告していないなら、戦争状態以上に人道的に行なう必要があるでしょうに!
全く反対の考え方なんだから・・・
これでは、戦後日本政府が長らく信頼されなかったのも無理はないか・・・
いまもって信用されていないようですが・・・
「6カ国協議」でも、主役ではなくアメリカの添え物みたいな扱いだし・・・

それにしても、無能な政治家だと思っていた蒋介石が極めてしたたかな外交手腕を持って事に当たっていたのには驚きました。
日独伊防共協定を結んでいたドイツから日本軍と戦う武器を輸入し、軍事顧問まで派遣させ、一方ヒトラーも金儲けのためなら、中国への武器輸出を偽装してでも進めるというしたたかさ。

さらには、欧州戦線で敵対し、触発の危機にあるドイツ・ソ連の双方から武器を購入する巧みな蒋介石の立ち居振る舞い。

これと比べると、日本の政治家の外交能力の無さや、軍部の戦略の無さがあまりにも目立ちます。
それは、今もって続いている訳ですが・・・

まあ、NHKとしては、そこそこ真面目に取組んだ番組だと言えるでしょう。

気になったのは「国共合作」が蒋介石の主導により結ばれたように描いていること。
第一次「国共合作」は、日本軍に暗殺された張作霖の息子張学良が中国共産党の意を受けて、蒋介石を逮捕拘束して強制的に締結させたものだったように記憶していますが。
毛沢東が主導して結んだ統一戦線だっとと思います。

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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
kogomi37@white.livedoor.com (kogomi)
2007-02-10 02:40:53
はじめまして。
「お玉おばさんでもわかる政治のお話」のTBをたどってきました。

私はしばらく前にこの番組を見ていたため、少し記憶があやふやでした。そのため、「戦争扱いしなかった」くだりの件につき、ここにリンクさせていただきましたので御了承ください^^

ありがとうございました。

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確かに (カーク)
2007-02-10 06:46:50
>これと比べると、日本の政治家の外交能力の無さや、軍部の戦略の無さがあまりにも目立ちます。
それは、今もって続いている訳ですが・・・

そういう甘い、何時までも相手は成長しないとかいう考えはその後の太平洋戦争で十分発揮されていて、多くの無謀な、あるいは無意味な作戦が展開されて行ったようですね。

そして、今も続いている。特に外交はそうかもしれないかな。


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宣伝戦とアメリカ (布引洋)
2007-02-10 11:13:44
久々に素晴らしいNHKスペシャル番組です。
国共合作の精細や蒋介石と上海マフィヤとの関係等報道されなかったものも多くありましたが番組としては良くできていました。
南京大虐殺についても十万人規模の南京攻略日本軍の第九師団の一つの連隊(二千五百人規模の内一万人近くが死傷)が中国人捕虜六千六百人以上を殺害していた公式記録の発掘は光っていました。

短期戦と違い長期戦の場合には、実際に行われるの戦闘よりも宣伝戦が戦争の勝敗を分けるものです。
どっちもどっちのユーゴ内戦では戦闘で勝利したセルビア側に対して、戦闘では負けてもアメリカの大手広告会社と契約したクロアチア側が宣伝戦に勝ち最終的には大勝利になっています。

当時の国民党政府は月十万ドルも宣伝広告に使って自らの正当性を世界に発信していました。
大日本帝国は宣伝にどれくらい努力していたのでしょうか。?
宣伝戦と言う言葉を果たして知っていたのでしょうか。? これでは長期的な戦争には勝てません。もうこの時点で勝敗は明らかだったのです。

由りによって、外国人が多く居住する南京で虐殺事件を引き起こすとは。!

右翼連中の言う「南京大虐殺は無かった』話には根拠があります。
『南京大虐殺』という特別な事件は無かった。!
あれは日本軍が通常行う作戦行動だったのです。普段からいつも行っていた。
ただ『南京大虐殺』が違うのは大勢の外国人に目撃されてしまったことだけです。

その点アメリカ軍は完全な情報統制を行い、残虐行為は外国人ジャーナリストの目には絶対に触れないようにします。
イラク国内で去年どれだけのジャーナリストが殺されたでしょうか。?現在殆ど外国人がいない状態です。
少しばかりの海外報道関係者も危険で自由な取材ができない。結果アメリカ軍の残虐行為はやりたい放題。
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ありがとうございました。 (JUNSKY(開設者))
2007-02-11 23:44:50
kogomi さま、カークさま、布引さま
コメントありがとうございます。
人生リセットさまTBありがとうございます。

今後ともよろしく御願い致します。
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支那事変とは (武悪堂)
2007-02-18 23:06:23
支那事変とは
http://godslounge.seesaa.net/article/22906978.html
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