読売新聞が発表した緊急全国世論調査(電話方式)で、新内閣の支持率は64%にも急騰したと言う。
国民はこんなにも「バクチ好き」(不安があるが賭けてみる)であったのだろうか?
民主党に対する落差の激しさに驚いてしまう。
但し、調査数(標本数)を明記していないので調査の信用性には疑問が残るし、電話調査の欠点を利用した『誘導質問』が行われている可能性が排除できない。
前にも書いたが、鳩山内閣成立時は自民党政治を倒して3党連立で『これまでにない斬新な政治』が行われるものとの大きな期待から、支持率が極めて高かったことは理解できた。
しかし、民主党中心の政治手法が自民党時代と殆ど変らないことを実感したにも拘わらず、看板を代えただけでこんなにもあっさりと騙されてしまうとは、どういうことであろうか?
おそらく、この高い支持率は『小沢排除』効果によるものであろうと言ってきたが、この世論調査でもそれが裏づけられている。
【菅首相(民主党代表)が、内閣と民主党役員の人事で、同党の小沢一郎前幹事長とは距離を置く議員を要職に起用したことを「評価する」との答えは76%に上り、民主支持層では81%に達した。】
その他の主な指標は以下の通り(但し統計的信頼性は疑問)
新内閣の支持率:64%,不支持率:25%
民主党や同党の候補者に投票する:36%(11%UP)
自民党や同党の候補者に投票する:13%(5%DOWN)
政党支持率 民主党39%(前回29%),
自民党14%(前回18%);過去最低
相変わらず他党は無視
仙谷官房長官の起用は「評価する」55%、「評価しない」19%
枝野 幹事長の就任は「評価する」64% 「評価しない」15%
小沢前幹事長が民主党内で引き続き強い影響力を持つと思う:72%
小沢前幹事長の資金管理団体をめぐる「政治とカネ」の問題について
国会で説明すべきだと思う:83%
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ここで、配信を受けている【河北新報】の昨日の社説を引用しておこう。
(筆者の意見と同じと言う訳ではありません)
菅内閣発足/「脱小沢」の次に何をする
【河北新報】2010年06月09日水曜日
こわもて、剛腕の党内実力者と対峙(たいじ)するため、「菅流」を貫いた。清新な顔触れを配し、参院選に向けた戦闘モードも整えた。
菅直人首相はきのう、新内閣発足に当たって「強い経済、強い財政、強い社会保障を一体として実現する」と抱負を述べた。
政権交代の成果を十分挙げられぬまま退陣した鳩山由紀夫首相に代わって新首相が取り組むべきは、国民の意を体しためりはりの利いた政治の実現だ。
1年ごとの首相交代に対しては国際的な信用も揺らいでいる。もはや党利、党略の問題ではない。政権の投げ出しは、何があっても許されない。
新内閣と党役員人事で、首相は小沢一郎前民主党幹事長と距離を置いた。本人は否定するが、「脱小沢」が人事のキーワードだった。
内閣の要である官房長官に仙谷由人国家戦略担当相を起用。参院選を仕切る党幹事長に枝野幸男行政刷新担当相を抜てきした。復活する政調会長には玄葉光一郎衆院財務金融委員長を充てて入閣させ、公務員制度改革・少子化担当相を兼務させた。
これに野田佳彦財務相、再任された前原誠司国土交通相、岡田克也外相らを加えると、要所で「小沢外し」を徹底した構図が浮かび上がる。菅氏は小沢氏との対決色を意図的に演出した節さえある。
共同通信社が4、5両日実施した世論調査で、新首相への期待度は57.6%に上った。5月末の調査で、鳩山内閣の支持率は2割を切っていたから「V字回復」を果たした形だ。
新内閣が具体的に仕事に着手したわけではない。11人は再任組で、目新しさという点ではインパクトにも欠ける。
ただ、国民は政権ツートップの政治とカネの問題や、「小鳩体制」と呼ばれる権力の二重構造に嫌気が差していた。人心一新を求める世論を味方につけ、人事で正面突破を図った菅氏の戦略が奏功している。
政党支持率や参院選比例代表投票先でも、逆風が順風に変わりつつある。菅政権としては蓮舫行政刷新担当相らを「選挙の顔」として押し立て、参院選必勝を期す構えのようだ。
自民党など野党からは「清潔な政治を目指すなら、小沢氏の証人喚問に応ずるべきだ」という指摘が出ている。幹事長を退いたから、一件落着とはいくまい。首相はどう対応するのか。
参院選は鳩山内閣の中間評価の位置付けだったが、トップの交代で性格が変わった。政権担当能力を吟味するには時間が短く、難しい判断を迫られる。
当面、衆院選マニフェスト(政権公約)の見直しは避けて通れない。財務相として菅氏は財政健全化のため、2011年度の国債発行額を10年度以下に抑制する考えを示した。受益と負担の関係があいまいなマニフェストをこのまま放置することが許されないのは当然の帰結だ。
甘言による前政権の失敗を、菅氏はナンバー2として間近で目撃したはずだ。選挙至上主義に陥ることなく、できる仕事を着実に実行していってほしい。
2010年06月09日水曜日
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菅内閣支持64%、「脱小沢」評価…読売調査(読売新聞) - goo ニュース
読売新聞 2010年6月9日(水)23:02
読売新聞社は、菅内閣が発足した8日夜から9日にかけて、緊急全国世論調査(電話方式)を実施した。
新内閣の支持率は64%で、発足直後の調査(1978年の大平内閣以降)としては5番目の高さとなった。不支持率は25%だった。夏の参院比例選で民主党や同党の候補者に投票すると答えた人は36%で、鳩山前首相の退陣表明を受けた前回調査(2~3日実施)から11ポイント上がり、自民党の13%(前回18%)を引き離した。参院選の結果、民主が参院でも過半数の議席を獲得する方がよいと思う人は49%で、同じ質問をした3月調査以降で初めて、「そうは思わない」40%を上回った。
民主は政党支持率も39%(同29%)に伸ばした。内閣支持率が19%まで落ち込んだ鳩山前内閣から菅内閣への「刷新効果」が鮮明になった。自民は過去最低の5月調査に並ぶ14%(同18%)に後退した。
菅首相(民主党代表)が、内閣と民主党役員の人事で、同党の小沢一郎前幹事長とは距離を置く議員を要職に起用したことを「評価する」との答えは76%に上り、民主支持層では81%に達した。首相が「脱小沢」の姿勢を示したことが、内閣や民主党への支持を回復させたと言えそうだ。内閣を支持する理由をみると、「非自民の政権だから」21%に続き、「閣僚の顔ぶれがよい」18%が2番目に多かった。
閣僚人事について具体的に聞くと、蓮舫行政刷新相の起用を「評価する」は71%だった。仙谷官房長官の起用は「評価する」55%、「評価しない」19%となった。また、民主党の枝野幹事長の就任は「評価する」64%が「評価しない」15%を大きく上回った。
ただ、小沢前幹事長が民主党内で引き続き強い影響力を持つと思う人は72%に上った。小沢前幹事長が、自らの資金管理団体をめぐる「政治とカネ」の問題について、国会で説明すべきだと思う人は83%を占めた。「小沢問題」への対応が、菅内閣と民主党に対する今後の評価を左右することになりそうだ。
菅首相が財政再建に積極的な姿勢を示していることを「評価する」との答えは71%だった。
参院選で投票先を決める時に最も重視する政策や争点は、「景気や雇用」33%、「年金など社会保障」27%、「消費税など税制改革」13%――などの順に多かった。
>日本の新首相に最初は期待しながら後になってから「期待したのに裏切られた」となるのか?
>それは、日本国民大半が「新しもの好き」で、新政権の本質を見極める事もせずに支持して、国政選挙で政権党へ投票するものの、数ヶ月経ってから新政権の欠点があちこちに噴出するのを目の当たりにして「期待したのに裏切られた」となるのだと思い
ます。