「当たり前のことしてきた」=電力会社に変化求める
―退任の島崎氏ら会見・規制委
(時事通信) - 2014年9月18日(木)19:00
原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理(68)は18日、2年間の任期を終え、東京都内で退任会見を開いた。電力会社や自民党議員など原発推進派から審査が厳し過ぎると批判を浴びたことについて、「当たり前のことをしてきただけ。なぜそのように言われるのか分からない」と語った。
島崎氏は元地震予知連絡会会長で、2012年の規制委発足時から原発の地震・津波対策を担当してきた。
島崎氏は「どんなに精密な理論を作ろうと、どんなに素晴らしい計算をしようと、自然に従わなくてはいけない」と指摘。「事業者(電力会社)は変わらないといけない。変わりつつあるように見える事業者がいないわけではないので、今後に期待したい」と述べた。
(毎日新聞 - 2014年09月18日付け)
原子力規制委:「私は負け犬」退任会見で島崎委員長代理
毎日新聞 - 2014年09月18日 21時44分
原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理と大島賢三委員が18日、2年の任期を終え退任し、記者会見した。発足時から地震や津波の審査に携わった島崎氏は、地震学者として東日本大震災を予測できなかったことを「私は負け犬」と悔やみ、「3・11以降広がった科学への不信を取り除きたいという思いで務めた」と振り返った。
島崎氏は、新規制基準に基づく審査が「事業者に厳し過ぎる」と与党などから批判されたことについて、「厳しいところは一つもない。当たり前のことをしてきた。事業者は変わらなければいけない」と反論した。また、「私はいつも2年後に死ぬという仮説を取っている」と説明し、就任当初から2年で退任する決意だったことを明かした。「政治的な思いにはまるきり無関係」と強調し、政権の関与を否定した。
規制委:「目の上のたんこぶ」島崎氏退任 注目のこれから
毎日新聞 - 2014年09月18日 21時52分
18日に原子力規制委員を退任した島崎邦彦氏は、委員で唯一の地震学者として、地震や津波の審査でたびたび事業者側に厳しい判断をしてきた。原発の早期再稼働を目指す電力業界や一部の与党議員からは「目の上のたんこぶ」と見られてきたが、退任によって規制委の姿勢が変化するのかどうか注目される。
島崎氏は「福島事故の教訓を踏まえていない」として、事業者の地震や津波の想定の甘さを繰り返し指摘した。日本原子力発電敦賀原発(福井県)や東北電力東通原発(青森県)の敷地内にある断層を活断層と認定するなど、廃炉に直結しかねない踏み込んだ判断も示した。この日の会見で「(事故が起こるまで)原発について無知だった」と述べたように、原発事故を防げなかった反省が背景にあった。
しかし、電力業界からは「審査が厳し過ぎる」と、審査の停滞を批判する声が多かった。自民党幹部からも「あまりに審査がゆっくりして日本経済を揺るがす事態になっている」と、暗に島崎氏の交代を求める声も出ていた。
島崎氏の後任には、東北大教授だった石渡明氏(岩石地質学)が19日に就任する。電力会社からは「(島崎氏の)退任で審査が前進していくはず」と歓迎の声が上がる一方、「原子力規制庁の姿勢は変わらないだろう。この路線はしばらく続くはずだ」との見方も出ており、石渡氏の審査姿勢を注視している。【鳥井真平】
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