緊迫した事態になると、言葉遣いもヤクザみたいになる典型だ。
公開された映像は見ていないが、産経新聞Web版に掲載された結構詳しい
再現報道によると、東京電力の福島原発の現場と本社の幹部のやりとりは
とても技術者のレベルのものでは無くて何も知らない人々が右往左往している
だけのように見える。
基本的な反応は「どうしていいかわからない」に尽きる。
この点では、班目原子力安全委員長も同罪である。
原子力の安全管理のTOPに立つ者が、暴走を始めた原子炉の制御の仕方が
解らない訳である。
暴走し始めた原発は誰にも制御できないと云うことは、既に国民の大半が知った。
そうであれば、全ての原子炉は廃炉にするべきであるのに、ドイツができた決断が
当事者である日本政府も東京電力もできないとは・・・恐れ入る!
この映像公開と並行して、経産省が原子力委員会の小委員会での論議の前に
推進派のメンバーを集めて『事前勉強会』を開催し、電力業界などに不利な
情報を報告書から削除させることに「成功していた」らしい、という話も
今朝の新聞に掲載されていた。
【電力事業者が原子力の推進で不利になるシナリオを削除した資料を作成した
として「審議に対する誘導だったと認められる」とした。】
電力事業者が審議誘導 原子力委の勉強会、内閣府検証
(産経新聞) - 2012年8月7日(火)08:05
ここまで事態が進んでいるのに、まだ原発が有力な基幹エネルギーだと
考えている人々が経産省という政権中枢に蔓延っているとは、これ如何!?
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電力事業者が審議誘導 原子力委の勉強会、内閣府検証
(産経新聞) - 2012年8月7日(火)08:05
核燃料サイクル政策の見直しを行っていた原子力委員会の小委員会が、原子力推進側だけを集めた非公開の「勉強会」を開いていた問題で内閣府の検証チームは6日、勉強会は電力事業者の思惑を反映させることが目的で、審議の誘導があったとする報告書を細野豪志原発事故担当相に提出した。小委最終報告への影響については「認めることはできないが、完全に否定はできない」として明確な結論を出さなかった。細野担当相が今後の対応を検討する。
検証チームは勉強会に関係した原子力委員や電力会社幹部など延べ42人への聞き取り調査などを実施。電力事業者が技術的な情報提供だけでなく主張や要望を繰り返していたとして「勉強会の実態は小委の審議に影響を及ぼそうという意図も持つ」と断じた。
使用済み核燃料の処分方法について、電力事業者が原子力の推進で不利になるシナリオを削除した資料を作成したとして「審議に対する誘導だったと認められる」とした。
ただ小委が5月にまとめた最終報告への影響は「ほとんどの委員は否定していることから認められない」とする一方、「可能性を完全に否定することまではできない」とした。
東電、テレビ会議映像公開 福島-東京、緊迫のやりとり
(河北新報) - 2012年8月7日(火)08:15
東京電力は6日、福島第1原発事故直後に録画した社内テレビ会議映像を東京・内幸町の本店と福島市内で報道関係者に公開した。昨年3月14日午前11時すぎに3号機が水素爆発し、吉田昌郎所長(当時)が「本店! 本店! 大変です! 3号機、爆発が起こりました」と報告するなど緊迫したやりとりが収められている。
映像は(1)昨年3月11日午後6時半ごろから16日午前0時すぎまでの101時間35分(音声なし)(2)12日午後11時から15日午前0時すぎまでの49時間7分(音声あり)-の2種類。本店と福島第1、第2、柏崎刈羽の計3原発やオフサイトセンター(福島県大熊町)の様子が分割画面を通じて確認できる。
1号機が爆発した3月12日午後3時36分ごろの映像(音声なし)では、免震重要棟に詰めた作業員が爆発の揺れで一斉に天井を見上げる模様が収録されている。
3号機の爆発直後、吉田所長は「現場は退避してください。なるべく固まって安否確認して。なるべく早く引き上げて」と作業員に退避を促した。
15日早朝は菅直人首相(当時)が東電本店に乗り込み、約10分間、対策室で指示を出す後ろ姿が映っている。その後、別室で勝俣恒久会長(同)や清水正孝社長(同)と話し込んだ。一連の場面は音声がなく、東電は「記録装置の容量が足りず、記録できなかった」と説明している。
東電は役員や吉田所長ら責任者以外の社員らについて、顔にぼかしを入れて氏名を伏せる編集を加えた。視聴する記者には録画、録音を認めず、指示に従わない場合は視聴を認めない考えを示唆した。
東電は社員のプライバシー保護を理由に映像を非公開にしてきたが、「社会的要請と関心が高く、新しい経営陣としての判断」(広報部)として公開に踏み切った。報道関係者には9月7日まで公開される。インターネットのホームページでは約1時間半のダイジェスト版を公開している。
原発事故 東電映像公開 菅氏激高、爆発で緊迫 問題部分の音声なし
(産経新聞) - 2012年8月7日(火)08:05
水素爆発に右往左往する職員。東京電力本店に乗り込み、職員を怒鳴り散らす菅直人首相(当時)-。東電が6日、公開した社内のテレビ会議映像からは、事故直後の緊迫した状況が浮かび上がった。しかし、全面撤退問題をめぐり菅首相が本店を訪れた様子や海水注入をめぐる経緯など、事故検証で問題視されている部分の映像は音声がなく、真相は謎のままとなった。(原子力取材班)
昨年3月14日午前11時1分。福島第1原発の免震重要棟に置かれた緊急時対策本部の映像が激しく揺れる。席から立ち上がる職員。
「本店、本店、大変です、大変です。爆発がいま起こりました」
口早に状況を報告する第1原発の吉田昌郎所長(当時)。本店からは次々と指示が飛ぶ。「現場の人の退避!」「緊急に関係箇所に連絡して!」
テレビ会議映像には、3号機が水素爆発した際、対応に追われる現場の混乱した状況が残されていた。
一方、菅首相が東電本店で「撤退などあり得ない」と語った部分や、海水注入問題に関わる部分は音声がなかった。
菅首相が東電本店を訪れたのは15日午前5時半ごろ。テレビ会議映像にはマイクを手に、東電幹部を指さしながら話をする菅首相の姿があった。
音声はないが、東電側によると、このとき菅首相は「逃げてみたって逃げ切れないぞ」「60になる幹部は死んだっていいんだ」などと発言したとされている。国会事故調の聴取に対し、「叱責というつもりはない。夫婦げんかよりは小さな声でしゃべった」と説明していたが、前のめりで話す様子からは、冷静さを欠いた状況が読み取れる。
菅首相のこのときの行動が「日本を救った」と美化する向きもあるが、東電本店を訪れてから立ち去るまでの約20分間、第1原発などでは職員の動きはほとんどなく、復旧作業に支障を来した可能性もある。
海水注入をめぐっては、菅首相に配慮して中断を指示した本店に背き、吉田所長が独断で海水注入を続けたが、この時、本店を欺くために行った吉田所長の“芝居”も残されていた。
12日午後7時25分。吉田所長は海水注入の中断を指示するが、その直後に席を立ち、注水の担当者に耳打ちをしていた。この時、海水注入を続けるよう、こっそり指示していたとみられる。ただ、この映像も音声はなく、検証には不十分な内容だった。
原発事故 東電公開映像 現場の様子克明に
(産経新聞) - 2012年8月7日(火)08:05
■(首相は)説明すると、さんざんギャーギャー言うわけです
■計画停電 やったら殺人罪をお前に対して問う、と言われました
東京電力が6日公開した福島第1原発事故直後からの社内テレビ会議の録画映像。一部映像には音声も残されており、大声が飛び交う現場の生々しい様子が克明に記録されていた。公開された映像から判明した主なやりとりは以下の通り。(肩書は当時)
《震災翌日の平成23年3月12日午後11時。音声付きの映像は、官邸中枢からの指示に困惑する東電幹部の様子から始まった。事故直後から官邸に派遣されていた武黒一郎フェローが本店に戻って会議に加わり、こうぼやいた》
武黒フェロー「大体まあ、首相補佐官とか副長官みたいな人が事前の仕切りをするんですね。ご承知のように、民主党政権は若い人たちがそういう役になってますから。『イラ菅』という言葉があるけれども、あれから比べると吉田さん(吉田昌郎福島第1原発所長)のドツキなんてものは、かわいいものだと思いますけど」
《官僚らを強圧的に怒鳴り上げる姿から付いた菅直人首相のあだ名「イラ菅」という言葉が飛び出した》
武黒フェロー「昨日も、退避・避難の区域を決めたときに、最初は菅さん(菅首相)とかに呼ばれて『どうすんだ』『どうすりゃいいんだ』って言うわけですね。私と班目さん(班目春樹原子力安全委員長)が説明すると、『どういう根拠なんだ!』『それで何かあっても大丈夫だといえるのか!』とさんざんギャーギャー言うわけです」
《すでに、過剰な政治介入をうかがわせる》
◆「どの道吹っ飛ぶ」
《13日午後2時15分ごろ、原発敷地境界の「モニタリングポスト」で毎時905マイクロシーベルトの放射線量を計測。注水作業は難航し、1号機に続き、3号機でも水素爆発の危機が忍び寄る》
本店社員「高橋さん(高橋明男フェロー)、荒唐無稽だけど、自衛隊に頼んでさ、火器で(原子炉建屋の)パネルに吹っ飛ばしてもらえば? 海側から」
高橋フェロー「いや、それね、なかなか考えたんだけど、下に大事なものがいっぱいあるんだよ」
本店社員「だって、どの道吹っ飛ぶぜ」
◆爺の決死隊
吉田所長「3号機はかなり(原子炉の)トレンド(傾向)としてやばいということなんですけど、それと2号機もいつこうなるか分からないんで、いろいろ前もって作業したいんですけど、実は水素爆発があるかも分からないということで、作業員を全部引き揚げさせたんですよ」
《そこで吉田所長がある提案をした。放射線の影響を踏まえ、年配の職員を中心に結成する決死隊だ》
吉田所長「2号機の海水注入ラインはまだ生きていない。そこを生かしに行くにはかなり勇気がいるんだけど、これはもう『爺の決死隊』でいこかということを今相談したんで」
◆絶対認めない
《14日午前2時ごろには、藤本孝副社長が本店でこんな愚痴をこぼした》
藤本副社長「輪番停電のことについてちょっと今ですね、(枝野幸男)官房長官から非常に強いことを言われていることについて、情報共有ということでお願いしたいと思います。明日6時20分から計画停電をやるということについては『絶対認めない』と。それはですね、官房長官と福山(哲郎)官房副長官と蓮舫需給対策大臣かな、その3人からですね、『人工呼吸器、人工心肺、これを家庭で使っている人をお前は殺すことになる』と。『お前がそれを承知して計画停電をやるということは、おれは殺人罪をお前に対して問う。それをやったら』と言われました」
◆3号機建屋爆発
《14日午前11時ごろ、福島第1原発の免震重要棟2階にある緊急時対策本部を写した映像が揺れた。3号機が水素爆発した瞬間だった。社員らに動揺が走る》
吉田所長「本店、本店、大変です、大変です。3号機、多分水蒸気だと思う爆発が今起こりました。11時1分です」
本店社員「11時1分了解。緊急連絡します」
吉田所長「はい、免震重要棟の中では分からないんですけど、地震とは明らかに違う横揺れと縦揺れが来まして、地震のような後揺れがなかったということで、これは多分、1号機と同じ爆発だと思います」
高橋フェロー「はい、了解」
本店・小森明生常務「現場の人の退避!」
清水正孝社長「緊急に関係箇所に連絡して!」
吉田所長「医療班! 負傷者が必ず出てくるのでその受け入れを見てて、それを確認してください」
本店社員「今、風は南西方向です。海側に行っているはずです。あとは実際の、2F(福島第2原発)なんですよ。1F(第1原発)の風向きが…」
本店社員「保安院(原子力安全・保安院)からの指示です。『1Fの南5キロはサーベイ(放射線測定)でも入るな』という指示が来ました」
本店・小森常務「えーっと、南5キロ、人の立ち入り禁止!」
《小森常務が声を張り上げ、続けて、清水社長が報道発表を指示した》
清水社長「本部長ですけど、早く速やかに東電からのメッセージ、発表者を決めて!」
◆撤退問題やりとり
《原子炉へ海水注入する消防車が燃料切れで止まっていることが確認され、現場の緊張はさらに高まる》
原発所員「炉心溶融の評価ですけれども、TAF(核燃料頂部)の(水位)到達時間が16時16分ですが、そのあと(燃料が)むき出しになったのが18時22分ということで、約2時間で炉心溶融が始まるだろうという、これ、ざっくりした見積もりです。その後、炉心溶融から2時間ほどたつとRPV(原子炉圧力容器)の損傷になるだろうということで(略)」
オフサイトセンター・小森常務「退避基準というようなことを誰か考えておかないといけないし、発電所の方も居続けることができるかどうか、どっかで判断しないとすごいことになるので退避基準の検討を進めてくださいよ」
《議論を呼んだ撤退問題。東電が原発からの全面撤退を検討したかのようにも取れる発言はこうだ》
高橋フェロー「これ、避難・退避は何時になってるんだろうな。全員のサイト(原発)からの退避というのは何時ころになるんですかね?」
本店社員「まだ早いです。まだこれが落ち着いてからですね」
高橋フェロー「本店の本部の方、ちょっと聞いていただけますか。1Fからですね、いる人たちみんな2Fのビジターズホールに避難するんですよね? そのときね、2Fの方で、給電、配電がですね、給油してくれないとか、水がほしいって話があるんですよ」
《やりとりの中で「全員」という言葉もあったが、東電が全面撤退を検討した明確なやりとりはなかった。清水社長の次の発言が、国会事故調が「東電は全面撤退を考えていなかった」とした根拠となった》
清水社長「あの、現時点でまだ最終避難を決定してるわけではないということをまず確認してください。それで、今しかるべきところと確認作業を進めております」
◆菅氏“演説”14分
《音声は保存されていなかったが、菅首相が東電本店に乗り込んだときの様子も映っていた。3月15日午前5時36分、本店に設置された事故対策統合本部の映像。菅首相は後ろ姿のため表情は見えない。菅氏は腰に左手をあてて、正面や左右を見渡すと、何か話し始めた。約10分後、突然、興奮したように左手を挙げてまくし立てる様子が映っていた。菅氏の“演説”は約11分で終わった。東電の職員は終始、無表情だった。菅氏は再び話し出し、相変わらず左手は腰にあてている。菅氏はマイクを持った手で相手を指さしたり、「あっちいけ」というような手ぶりをしたかと思えば、突然、両手を大きく広げた。ジェスチャーで爆発を表現しているのか。「早くやれ」と訴えているのか分からない。2回目の“演説”は3分足らずで終了したが、東電職員は無表情だった。中にはうつむく人の姿もあった》
■MSN産経ニュースに、東京電力が報道機関向けに提供した約1時間半の要約映像を掲載
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