JUNSKY blog 2015

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『20の徳目』 と 『12の徳目』

2006-05-24 23:51:41 | 教育基本法
【JMIU博多】のブログによれば、政府、自民・公明の「教育基本法改定案」に盛り込まれた 『20の徳目』 と「教育勅語」で謳われている『12の徳目』(下記)は、表現こそ違え、国民が大方支持できる内容を散りばめながら、国民を『愛国心』に誘導する危険なものであるようです。
(冒頭の写真は「教育勅語」。上の記事のタイトル『20の徳目』と『12の徳目』をクリックすると拡大して読めます。)

 教育勅語では、次の『12の徳目』が一つの文脈で表現されています。
① 孝行  ② 友愛 ③ 夫婦の和  ④ 朋友の信 ⑤ 謙遜  ⑥ 博愛 ⑦ 修学習業  ⑧ 智能啓発 ⑨ 徳器成就 ⑩ 公益世務 ⑪ 遵法
⑫ 義勇

 上に見られるように、①~⑪のそれぞれの項目においては、当たり障りの無い常識的なものも多く、「絶対反対」という方は少ないことでしょう。
 しかし、これら①~⑪は12番目の徳目を行うための前提として列挙されていることが問題なのです。
 この勅語のターゲットは⑫なのです。

 そして、この第12項は、原文では
【一旦緩急アレバ 義勇 公ニ奉ジ、以テ 天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スべシ。 
是ノ如キハ 獨リ朕ガ忠良ノ臣民タルノミナラス 又、以テ爾祖先ノ遺風ヲ顯彰スルニ足ラン】
(一部読み仮名、句読点を変更)

 口語訳してみると(私がトライ)、
【ひとたび戦争や内乱が起こったときは、勇敢に国家のために命を捨てて(注:「公に奉じ」とは、そういう意味以外の何ものでもありません)戦って、天皇が永遠に支配する世の中を支え守るべきである。
そして、このことは、ただ天皇の忠実な下僕としての務めだけではなく、私達の祖先が作り上げて来た気風を明らかにして維持することである。】であり、

 簡潔にいえば、「戦争が始まったら率先して戦場に赴いて戦う」人造りのものであったのです。
 その意味で、今回の教育基本法改訂の趣旨は、『21世紀版教育勅語』の制定に他なりません。

 なお、「教育勅語」の 原文 と 口語訳(明治神宮所収)の全文は、JMIU博多のブログ をご訪問ください。

但し、この明治神宮所収の「最も権威あると言われる現代語訳」は、天皇専制支配の色を大幅に薄め、現代の人々にも受け容れ易くする訳文となっている、と 私は思います。
上記の私の部分訳の方が、本質を突いているはずです。


2 コメント

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岡本晴行さま (管理人)
2010-04-01 20:09:04
上の画像の事でしょうか?
古い話なので覚えていませんね。
宮内庁か文部科学省ではなかったでしょうか?

上の画像でよければコピーしてお使いください。
大本の著作権については当方は責任を負えませんけど・・・
返信する
ご質問 (岡本晴行)
2010-03-31 09:42:35
2006年5月24日のブログに載せられている「教育勅語」の正本データは、どこでいただけるのでしょう。精密な画像が、研究材料として入手したいと思っているのですが。お教え下さい。
返信する

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