5月8日に、悪名高き『ブラック企業』ワタミの赤字決算が発表されたようである。
産経新聞に依れば、【店舗閉鎖による特別損失を計上したことで、
最終損失が49億円と1996年の上場以来初めて赤字に転落した。】
とのこと。
そして、これを捉えて【日刊ゲンダイ】が、このブログ記事の表題のような
見出しでWeb記事を掲載していた。
中々痛烈な批判をしているが、長い記事なので、主な論点を引用すると
およそ、以下のようなポイントである。
* ブラック企業の“ビジネスモデル”は、もう限界ということではないか。
* 5月8日に発表した14年3月期連結決算は純損益が49億円の赤字。
前年は35億円の黒字だったから、天国から地獄の様相だ。
* ブラック企業の風評もあり、時給を上げても求人が埋まらない。
* 人手不足で今年度中に全店舗の約1割にあたる60店舗の閉鎖を計画
* ワタミといえば、無理のきく20~30代の若者を低賃金でコキ使う
ことで成長してきたブラック企業の代表格
* 人手不足は外食、サービス、建設業界などに広がっている。
とくにブラック企業の烙印を押された会社には、アルバイトが寄りつかない。
* 人件費を安く抑えて、労働者を酷使してボロ儲けしようという発想が間違っていた
* 企業が安く使い捨てできる労働力をさらに増やそうとしているのが安倍政権
クビ切り自由の“限定正社員”や
残業代ゼロの“ホワイトカラーエグゼンプション”を導入
既に、『ブラック企業』のビジネスモデルは、若者に通用するものでは
無くなってきたと云うことである。
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ワタミ赤字転落で崩壊寸前 ブラック企業のビジネスモデル
日刊ゲンダイ - 2014年5月9日 掲載
ブラック企業の“ビジネスモデル”は、もう限界ということではないか。
大手居酒屋チェーンのワタミが1996年の上場以来、はじめて赤字に転落した。8日に発表した14年3月期連結決算は純損益が49億円の赤字。前年は35億円の黒字だったから、天国から地獄の様相だ。
「売上高は前年比3%増の1631億円でしたが、営業利益が68%減の29億円だった。アルバイトの時給上昇が業績の重荷になったようです。もっとも、ブラック企業の風評もあり、時給を上げても求人が埋まらない。人手不足で今年度中に全店舗の約1割にあたる60店舗の閉鎖を計画していて、21億円の特別損失を計上したことも響きました」(経済紙記者)
■時給を上げても人が集まらない
ワタミといえば、無理のきく20~30代の若者を低賃金でコキ使うことで成長してきたブラック企業の代表格だ。
求人情報会社によれば、飲食店のアルバイトの平均時給は12年1月の920円から25カ月連続で増えていて、942円に上がったという。バイトの給料がちょっと上がっただけで、経営が立ち行かなくなってしまう。
求人情報会社によれば、飲食店のアルバイトの平均時給は12年1月の920円から25カ月連続で増えていて、942円に上がったという。バイトの給料がちょっと上がっただけで、経営が立ち行かなくなってしまう。
ワタミの桑原社長も、決算発表の会見で「われわれの成長戦略が曲がり角に来ている」と認めていた。“ブラックビジネスモデル”は崩壊寸前ということだ。
「すき家」のゼンショーホールディングスも、人手不足を理由に今年2月から4月にかけて123店舗を休業し、124店舗が深夜・早朝営業を休止した。
人手不足は外食、サービス、建設業界などに広がっている。時給を上げても応募が増えないという。自業自得だが、とくにブラック企業の烙印を押された会社には、アルバイトが寄りつかない。
そもそも、人件費を安く抑えて、労働者を酷使してボロ儲けしようという発想が間違っていたのだ。
ところが、安倍首相はさらに人件費を安くしようとしているのだから、どうかしている。
「安倍首相は<有効求人倍率が上がった>と自慢していますが、そのほとんどは短期雇用の非正規社員です。アルバイトの平均時給が上がる一方で、正社員の所定内給与は22カ月連続で減少している。アベノミクスで給料が増えるなんて大ウソだし、クビ切り自由の“限定正社員”や残業代ゼロの“ホワイトカラーエグゼンプション”を導入して、企業が安く使い捨てできる労働力をさらに増やそうとしているのが安倍政権です。サラリーマンの給料が上がらなければ、お父さんの小遣いが減って、居酒屋にも行けなくなる。いまやワタミで飲めるサラリーマンは恵まれた人たちなのです。それで外食産業の業績は悪化し、正社員の給料も上がらない。こういう悪循環に陥っているように見えます」(経済ジャーナリスト・荻原博子氏)
アベノミクスの矛盾がここにも表れている。
ワタミ「エリア限定社員」本格導入へ 新入社員が採用難…計画の半分
(フジサンケイビジネスアイ) - 2014年5月9日(金)08:21
居酒屋チェーン大手のワタミは8日、転勤を伴わない「エリア限定社員」を6月から本格導入し、アルバイトからの登用や中途採用で100人を確保する計画を発表した。景気回復を背景に外食業界などの一部では採用難が深刻化しており、同社も今春の新入社員数が120人と、計画の半分にとどまっていた。
同社はすでにエリア限定社員制度を設けているものの、賞与がないなど福利厚生は貧弱で登用数は10人程度にとどまっていた。新制度では福利厚生を正社員並みに充実し、副店長以上への昇進も可能にする。
同社は労働環境改善に向け、今年度中に全店舗の約1割に当たる60店の閉鎖を決定。桑原豊社長は同日の決算発表で「今後は新規出店を抑え、1店当たりの収益力を強める」と述べた。
ワタミの2014年3月期連結決算は、居酒屋事業や宅食サービスの不振に加え、店舗閉鎖による特別損失を計上したことで、最終損失が49億円と1996年の上場以来初めて赤字に転落した。
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