今日の昼飯どきに、朝日新聞の紙面を見ていたら、トンデモナイ記事が目に入った。
アフガンに巨大埋蔵鉱脈 金など92兆円規模、米調査
この『92兆円』という朝日新聞の翻訳は馬鹿げている。
為替レート1ドル=92円として換算したようであるが、
原文がラフ数字として1兆ドル;正確には1テラ・ドル
としているのであるから、『100兆円規模』とするべきだ
手短に言えば、
【旧ソ連がアフガニスタンの地質調査で金・銅等の貴金属や、ITや電気自動車などに欠かすことのできないレアメタルの存在を確認していて、アメリカはそれを手に入れていた】
と言う話だ。
ちょっと短絡的表現かもしれないが、
ソ連が当時友好国であったアフガニスタンのタラキ政権(だったと思う)を打倒するために“軍事介入”したことも、
その後アメリカが侵略したことも、
結局はこの貴金属争奪戦であったということになる。
それを、テロ対策だと偽ってアメリカの多くの若者の命を奪い、
その何桁も多い無辜のアフガニスタン国民を大量殺りくしてきた訳である。
とんでもないことだ。
『アフガン リチウム 金』と入れてWeb検索で記事を捜したら、
上の朝日の記事がHITして、関連記事として下記の記事のリンクがあった。
長くなりますが、重大な内容ですので、最後までお読み頂ければ幸いです。
アフガンの1兆ドル鉱脈:「戦争の真の理由」という声も
この記事によれば、私が上で述べたこともあながち『短絡的表現』ではないようである。
下に、このWeb全文を掲載したが、一部要点を先に御紹介しておこう。
【これらの鉱物資源は新しく「発見された」と報道されているが、実は米軍はかなり以前から、アフガニスタンの金属資源が豊富であることを把握していた。】
【旧ソビエト連邦が侵攻当時の1980年代に作製した鉱脈図を米国の地質学者が発見。】
【米国の元高官の1人は、米国政府がアフガニスタンの鉱物資源を「発見した」と発表したことを「非常に馬鹿げている」と述べたという。「私が1970年代にカブールに駐在していたとき、(米国政府)、ロシア、世界銀行、国連などが、アフガニスタンに大量に埋蔵されている鉱物に大いに注目していた。」】
【Chamberlin氏はWired.comに対して電子メールで書いてきた。「これは新しい事実ではない。おそらくこれはまた、米国がなぜこれほど熱心にこの戦争に取り組んでいるかという真の理由についてヒントを与えてくれる ものだろう」】
【それよりも以前からアフガニスタンの資源について関心を持ってきたのがソ連だ。アフガニスタンを再建するために2002年に開催された会議において、いくつかの国の代表は、ロシアが数十年前から行なっていたアフガニスタンの金属資源に関する調査情報を出さないことを批判していた。】
以上、WIRED VISION 抜粋引用終わり
英文原版リンク
上記、日本語訳のタイトルとは全然違う
【いいや、米国はアフガンの1兆ドルの鉱脈を
今“見つけた”訳ではない】
No, the U.S. Didn’t Just ‘Discover’
a $1T Afghan Motherlode
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未開発鉱物、92兆円超も=アフガンで米調査(時事通信) - goo ニュース
アフガンに1兆ドルの金属資源 米政府調査チーム発見(共同通信) - goo ニュース
アフガンの1兆ドル鉱脈:「戦争の真の理由」という声も
WIRED VISION 2010年6月15日(火)12:32
Katie Drummond
New York Times紙は14日(米国時間)、アフガニスタン各地に、総額1兆ドル(約92兆円)規模の鉱物資源が埋蔵されているとする米国防総省の調査結果を報じた。「リチウム等に関して、原油を産出するサウジアラビアのような国になりうる」とするものだ。
これらの鉱物資源は新しく「発見された」と報道されているが、実は米軍はかなり以前から、アフガニスタンの金属資源が豊富であることを把握していた。
New York Timesの記者は、アフガニスタンに鉱物があることを国防総省が知ったのは、2004年に発見された「古い図表やデータを集めた興味深い資料」による、と伝えている[旧ソビエト連邦が侵攻当時の1980年代に作製した鉱脈図を米国の地質学者が発見。米地質調査所(USGS)がこれを元に、アフガン全土の7割以上を航空機で調査し、実際に多くの鉱脈があることをつきとめた、とされている]
しかし、『Politico』によると、米国の元高官の1人は、米国政府がアフガニスタンの鉱物資源を「発見した」と発表したことを「非常に馬鹿げている」と述べたという。「私が1970年代にカブールに駐在していたとき、(米国政府)、ロシア、世界銀行、国連などが、アフガニスタンに大量に埋蔵されている鉱物に大いに注目していた。鉱石を、大洋に面した港まで安価に輸送する方法が、常にその制限要因となっていた」
アフガニスタンの資源については、少なくとも2人の地質学者がこれまで、米国防総省にアドバイスを与えている。例えば『Los Angeles Times』紙は2001年に、25年にわたって研究を続けてきた地質学者のBonita Chamberlin氏がアフガニスタンで、「見込みのある1407ヵ所の採鉱地で91種類の鉱物、金属、宝石を特定した」と伝えている。Chamberlin氏は国防総省に直接的に協力していた。2001年9月11日の米国同時多発テロ事件の数週間後には、アフガニスタンの砂岩や石灰岩の洞窟について報告するよう国防総省から委託されている。
「軍がこれを新しく、驚くような発見として発表したことに私は驚いている」とChamberlin氏はWired.comに対して電子メールで書いてきた。「これは新しい事実ではない。おそらくこれはまた、米国がなぜこれほど熱心にこの戦争に取り組んでいるかという真の理由についてヒントを与えてくれるものだろう」
一方、ネブラスカ大学の地質学者Jack Shroder教授は、2001年にAP通信に対し、アフガニスタンの埋蔵鉱物は非常に豊富であり、国の再建に極めて重要な役割を果たすだろうと述べている。Shroder教授は1970年代にアフガニスタンの地図制作に取り組んでいた頃から、国防総省の職員と共同で作業を行なっている。2002年には、この地域での採鉱開始を望むいくつかの米国企業から接触を受けた。
Chamberlin氏とShroder教授という2人の専門家が米軍にどのような情報を提供したのかについて、正確なところは明らかではないが、彼らが軍のトップと接触していたのは、2004年よりも前であったことは間違いない。2002年には米国内務省の鉱物関係の調査報告が、アフガニスタンには「かなりの量の金や宝石などの鉱物が埋蔵されている」と報告している、とSeattle Post-Intelligencerは報道している。
しかし、それよりも以前からアフガニスタンの資源について関心を持ってきたのがソ連だ。アフガニスタンを再建するために2002年に開催された会議において、いくつかの国の代表は、ロシアが数十年前から行なっていたアフガニスタンの金属資源に関する調査情報を出さないことを批判していた。
国防総省は、今回発表した資源について、現在麻薬に依存しているアフガニスタン経済を変身させうるものだと述べている。しかし、Foreign PolicyのBlake Hounshell氏は、汚職問題が報道されるカルザイ政権において誰が利権を得ることになるのかという疑問を提示し、今回の発表は、アフガニスタンへの増派を行なっているがほとんど成果のないオバマ政権にとって「便利な」ものだと指摘している。[同国内部での内紛や、環境汚染の危険なども指摘されている]
アフガンに巨大埋蔵鉱脈 金など92兆円規模、米調査
朝日新聞 2010年6月15日(火)05:00
【ワシントン=望月洋嗣】
米紙ニューヨーク・タイムズは14日、アフガニスタン各地に1兆ドル(約92兆円)規模の鉱物資源が埋蔵されているとする米国防総省の調査結果を報じた。鉄、銅、金のほか、リチウムなどの希少金属も大量にあり、経済復興の要になると期待される一方、資源確保をめぐって反政府武装勢力タリバーンの攻勢が激化するとの見方もある。
同紙によると、2004年、アフガンの鉱物資源を復興に役立てようと考えた米国の地質学者が、旧ソビエト連邦が侵攻当時の1980年代に作製した鉱脈図を発見。米地質調査所(USGS)がこれを元に、アフガン全土の7割以上を航空機で調査し、実際に多くの鉱脈があることをつきとめた。
鉄や銅、コバルトの巨大な埋蔵地のほか、アフガン南部では大規模な金の鉱脈が確認され、中部ガズニ州付近の塩湖ではリチウムの巨大な埋蔵地がみつかった。リチウムの埋蔵量は、世界有数の産出地として知られるボリビアに匹敵するとみられ、米国防総省内には「アフガンが『リチウムのサウジアラビア』になる」との見方もあるという。超伝導物質の原料になるニオブも大量にあるとみられる。
これらのデータをもとに、アフガンの経済復興策を担う米国防総省の特別チームが昨年、鉱物資源の経済規模を「1兆ドル近く」と算出。結果はゲーツ国防長官やアフガンのカルザイ大統領にも報告され、米政府がアフガン政府に対し採掘権管理の指導などを始めている。鉱業の歴史がないアフガンでは、採掘技術の習得や社会基盤整備に時間がかかるとされるが、数年後には一部で操業開始できる見通しだという。
アフガンの治安と経済の回復を最重要課題とするオバマ政権にとって、膨大な鉱物資源の発見は明るいニュースだが、「もろ刃の剣」(同紙)だとの指摘も出ている。
タリバーンが資源確保を目的に支配地域の拡大を強めたり、鉱物資源が豊富な地域の指導者と中央政府との間で「資源をめぐる争い」が頻発したりする事態が予想されるためだ。採掘権の認可をめぐるアフガン当局者の汚職増加や環境破壊も懸念される。同紙は、アフガンで銅山の採掘権を持つ中国が他の資源獲得に乗り出し、米国と対立しかねないとの米政府高官の見方を紹介している。