一昨日、交通事故で“脳死”状態になった15歳未満の子どもから
生きている臓器が摘出され、心臓だけは同世代の児童に移植されたが、
その他の臓器は20代から50代に至るまでの同世代ではない成人に
まで移植された。
児童の臓器移植を容認した法『改正』後、初の該当者だという。
子どもで初の脳死判定、移植へ 関東甲信越地方の男子
15歳未満の患者への脳死判定について、記者会見する
日本臓器移植ネットワークの担当者=12日午前、厚労省
(共同通信) 2011年4月12日(火)11:36
今回も、本人の意思表示は無かった。
このところ、『臓器移植』は殆どが、本人の意思表示が無い状態で
「臓器移植ネットワーク」が家族を説得する形で承認させているようだ。
家族による承認が、事実上マニュアルに基づく誘導(洗脳)によって
引き出されているように私には見える。
その説得工作について、 【医療介護CBニュース】(2/14付け)は、
ネットワークの移植コーディネーターが9日と11日、2度にわたって男児の父母ときょうだいの3人に対して臓器提供について説明。家族の総意として承諾したという。
と書いている。
今回も又、経緯の詳しい説明はなされず、密室における「説得工作」が
行われたようでり、極めて危ういやり方だと言わなければならない。
以前にもこのブログで書いたが、「私は臓器移植を行いません」という
趣旨を、移植カードや運転免許証に明記しておかない限り、意思表示なき
脳死「患者」の臓器は、摘出されてしまうことが現実に進行している。
特に、子どもの場合は、大多数が「意思表示」していないことから、
今後も次々と『実績』が積み上げられてゆくだろう。
恐ろしいことだと思う。
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10歳代前半男児、初の脳死判定…臓器摘出へ
(読売新聞) - 2011年4月12日(火)11:46
脳死の子どもから臓器提供へ 10代前半 法改正後初
(朝日新聞) - 2011年4月12日(火)13:27
15歳未満で初の脳死判定-本人意思表示なし、家族承諾で
(医療介護CBニュース) - 2011年4月12日(火)16:30
日本臓器移植ネットワークは4月12日、厚生労働省で記者会見を開き、128例目の脳死下での臓器提供が行われると発表した。
脳死と判定されたのは、関東甲信越地方の病院に入院する15歳未満の男児。
男児は臓器提供について意思表示をしていなかったが、家族が承諾した。
従来の臓器移植法では、臓器提供が可能な年齢は15歳以上と規定されていたが、昨年7月の法改正で、新たに15歳未満からの臓器提供ができるように変更され、今回はこの変更点が適用された初のケース。
ネットワークによると、ドナーとなったのは10歳以上15歳未満の男児。交通事故によるけがで8日、治療を受けていた関東甲信越地方の病院で脳死状態になった。男児は家族に対して臓器提供の意思を示しておらず、保険証や臓器提供意思表示カードへの記載なども見つからなかったが、主治医が家族に対して臓器提供の選択肢があることを示した。
ネットワークの移植コーディネーターが9日と11日、2度にわたって男児の父母ときょうだいの3人に対して臓器提供について説明。家族の総意として承諾したという。
脳死判定は、1回目を11日の夕方に、2回目を12日の早朝に実施。
家族の承諾により、心臓、肺、肝臓、腎臓、すい臓を摘出する。
摘出は13日早朝に行われる予定で、移植可能かどうかの最終的な評価を行った上で、心臓は阪大病院で10歳代の男性に、両肺は東北大病院で50歳代女性に、肝臓は北大病院で20歳代男性に、すい臓と腎臓の片方は藤田保健衛生大病院(愛知県豊明市)で30歳代女性に、もう片方の腎臓は新潟大医歯学総合病院で40歳代男性に、それぞれ移植される見通し。
小腸については、家族は承諾していたが、医学的理由で移植されないことになった。
今回の提供に当たって、男児の家族がコメントを発表した。内容は次の通り。(医療介護CBニュース) - 2011年4月12日(火)16:30息子は、将来は世の役に立つ大きな仕事をしたいと周囲に言っていましたが、息子の脳は回復せず、その願いはかなえられませんでした。でも身体は彼の最後の頑張りで持ちこたえました。
私達家族は、臓器提供があれば命をつなぐことができる人達のために彼の身体を役立てることが、いま彼の願いに沿うことだと考えました。親族も皆、臓器提供は彼らしい行動だと賛同してくれました。
身体の一部だけでも彼がどこかで生き続けていると考えると、彼を失ったつらさや悲しみから少し救われるような気がしています。
臓器移植手術、3病院で終了 15歳未満から初提供
(朝日新聞) - 2011年4月13日(水)22:27
15歳未満、臓器移植へ 脳死経緯、虐待の有無 不十分な情報公開
(産経新聞) - 2011年4月13日(水)08:00
昨年7月の改正臓器移植法施行から、約9カ月。15歳未満の少年から12日、初の臓器移植がされる見通しとなった。
日本臓器移植ネットワークは「新しい一歩」と意義を強調した。
しかし、脳死に至った状況や、虐待の有無の確認がどう行われたかについては明確な説明はない。「無償の善意」と「公平な移植」が絶対原則の“命のリレー”。それを裏付けるのに不可欠な情報の公開には課題が残った。
「ドナー(提供者)は関東甲信越の男児です。年齢は10歳以上15歳未満。原疾患は交通事故による重傷頭部外傷」
12日午前11時、厚生労働省で会見した移植ネット医療本部の芦刈淳太郎部長によるドナーの説明は、簡潔な内容だった。
「交通事故は車にはねられたということか?」「男児は小学生か?」。記者らからは矢継ぎ早に質問が出た。だが芦刈部長は「個人の特定につながる」と繰り返すばかり。
子供からの臓器移植では、虐待を受けた子供から移植が行われる懸念もある。そのため、虐待がなかったと確認することが、法で定められている。しかし、この点についても「虐待がなかったことは病院が確認している」という以上の説明はなかった。
法改正で期待されたことの一つが、渡航移植に頼るしかなかった15歳未満の子供が国内で移植を受ける機会が増えることだ。今回は提供される5つの臓器のうち、心臓のみが未成年に移植される見通し。
厚労省は、18歳未満から提供された心臓は、移植ネットに移植希望を登録した時点で18歳未満の患者に優先移植するとする基準を作っている。今回、提供を受ける予定の患者は厚労省の基準通り「登録時に18歳未満」だったが、現在の年齢は「10歳代」としか公表されていない。
少年の脳死判定がされたとみられる関東甲信越地方の病院には、多くの報道機関などから問い合わせがあったが、口は堅かった。
対応にあたった病院関係者は「臓器提供があるともないともいえない。肯定も否定もできない。これ以上のことは一切、コメントすることはできない」と押し黙った。
虐待の有無を確認する際に、病院からの問い合わせがあったと思われる児童相談所担当者も「個人情報に関係する事例になる。報告があったかどうかも含めて、回答することは控えたい」と口をつぐんだ。
(産経新聞) - 2011年4月13日(水)08:00
子供の臓器提供 国内で移植を完結する一歩に
(読売新聞) - 2011年4月14日(木)01:07