日本の民主党政府は、自民党政権と米国ブッシュ政権が合意した『キャンプ・シュワブ沿岸部(名護市辺野古)への現行移設計画』の履行を断念する方針を米側に伝達したと言う。
そのことそのものは一歩前進だが、なお代替地を探すと言う先の見えない放浪を続けている。
ここは、日本共産党が主張しているように「無条件撤退」を強く交渉するほかに解決する出口は見出せないと思う。
我々、安保条約廃棄を求める者には『幸いな』ことに、
現行合意の交渉に米政府代表としてかかわったローレス元米国防副次官が
【鳩山政権が現行合意以外の選択をした場合には、米国は海兵隊の撤退を考える可能性もある】
と指摘したと言う。
米国側の意向で海兵隊が撤退してくれるなんて、『願ったり叶ったり』である。
もっとも、この発言は「海兵隊の抑止力を信じている」鳩山首相を牽制するためのものであり、実際には現状のまま居直ることが前提にあるようである。
鳩山政権は、金権問題と普天間問題で墓穴を掘る結果となるであろう。
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政府、普天間現行計画断念を伝達
ホワイトビーチ案も検討
共同通信 2010年3月4日(木)14:04
政府は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題に関し、06年に日米両国が合意したキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市辺野古)への現行移設計画履行を断念する方針を米側に伝達した。同時に従来のキャンプ・シュワブ陸上部に加え、米軍ホワイトビーチ(同県うるま市)から沖合の津堅島の間を埋め立てる案についても本格的な検討に着手した。複数の日米外交筋が4日、明らかにした。
普天間、検討委打ち切りへ=水面下調整を本格化-政府(時事通信) - goo ニュース
2010年3月3日(水)18:03
「辺野古案でなければ海兵隊撤退も」元米国防副次官
朝日新聞 2010年3月3日(水)20:32
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設をめぐり、名護市辺野古沿岸に代替施設を建設するとした現行合意の交渉に米政府代表としてかかわったローレス元米国防副次官が、都内で朝日新聞のインタビューに応じた。代替案の一つとして政府・与党内で浮上しているキャンプ・シュワブ陸上案は不十分として退けたうえ、鳩山政権が現行合意以外の選択をした場合には、米国は海兵隊の撤退を考える可能性もあると指摘した。
ローレス氏は、沖縄県名護市にあるキャンプ・シュワブの陸上部分に、長さ500メートルの滑走路を設けるとした「シュワブ陸上案」について、ヘリコプターだけでなく固定翼機の運用も行っている普天間飛行場の代替施設としては能力的に不十分だと述べた。現行案より人家の近くを飛ぶことになるため、地元住民も受け入れないとの見方を示した。
それ以外の代替案もすべて検討済みで、実施可能なものはあり得ないとし、鳩山政権が現行合意である辺野古案以外の案を提示してきた場合には、「(海兵隊は)普天間に居残るしかない」と語った。
しかし、普天間は日米両政府がすでに返還を約束しているうえ、安全や騒音の問題も深刻であることから、「継続使用となっても長続きはしない。最終的に海兵隊は撤退しなければならなくなる」と語った。
もし撤退となればヘリ部隊にとどまらず、同じく沖縄県内に駐留している歩兵部隊、さらには佐世保を母港とする海軍の強襲揚陸艦、岩国飛行場に駐留する戦闘攻撃機部隊などにも広がる可能性があると指摘。結果として、日米同盟の抑止力を損なうだけでなく「アジア太平洋地域全体の米軍の兵力配備・構成も大きく変更する契機となる」可能性にも言及した。「撤退が引き起こす連鎖反応を甘くみるべきでない」と警告した。
一方で、今後の展開については「まだ全く分からない。オバマ政権はある段階で何らかの妥協をするかもしれない」とも指摘。ただし、そうした妥協は「すでに始まっているように見える日本の自己矮小(わいしょう)化」にとどまらず、アジア太平洋地域の安全保障環境のバランスを崩す恐れもあるとの考えを示唆した。(編集委員・加藤洋一)