鳩山総理が自ら編成した2010年度本予算の審議を中心課題とした通常国会が開催され、初の施政方針演説と政府3演説が行われた。
私は、鳩山総理の演説の冒頭部分を聴いたが、「いのちを守りたい」という唐突な(鳩山総理としては国民の関心を掴むためのキャッチコピーとして随分練り上げたコピーだったと思うが)言葉からはじまる極めて道徳的色彩が強い(悪い意味ではない)ものであった。
「いのちを守りたい」という理念とその命の対象には、こども、青年、高齢者、妊婦などの人間はもちろん、絶滅の危機にさらされている動植物まで話がひろがり、さらには地球のいのちを如何に伸ばすかが問われているという趣旨の演説で、非常に高邁な内容であった。
その理念は悪くないと思う。
しかし、やっていることは、その理念に適ったものであるだろうか?
冒頭15分ほどしか聞いていないので、その後の展開は解らないが、報道を見る限り、あまり具体的な手立てまでは表明できる状況には至っていないようだ。
本当に、そういう高邁な理念で政治をするのなら、沖縄で米軍基地をたらい回しにするような発言を担当閣僚(特にこの問題の責任者である平野官房長官)に許しておくはずがないであろう。
米軍海兵隊は、「いのちを守りたい!」とは対極にある殺人兵器集団であるのだから。
それを周辺諸国に対する『抑止力』と公言する鳩山首相は時代認識が1世紀ほど遅れている。
*******************************************
(左のアイコンをクリックして
もらえたら嬉しいです)
*******************************************
「いのち守る」政治に全力=景気対策、切れ目なく実行-首相施政方針(時事通信) - goo ニュース
「いのちを守りたい」鳩山総理が初の施政方針演説(10/01/29)
普天間、5月結論を強調 首相が初の施政方針演説(共同通信) - goo ニュース
首相施政方針演説、テーマは「いのち」 資金問題おわび
朝日新聞 2010年1月29日(金)13:21
鳩山由紀夫首相は29日午後、衆参両院の本会議で施政方針演説を行った。持論の「友愛社会」実現に向け、市民やNPOに活動の場を提供する「新しい公共」に道筋をつける考えを前面に掲げる理念先行型の内容だ。自らの政治資金問題について「国民に多大の迷惑と心配をおかけしたことをおわびする」と述べ、改めて謝罪した。
首相は演説のテーマを「いのち」と位置づけた。2010年度予算案は公共事業費を削って社会保障費や文教科学費を増額したとして「『いのちを守る予算』に転換した」と主張した。
「目指すべき日本」の項目では、インド独立の父、マハトマ・ガンジーの「七つの社会的大罪」を引用し、「労働なき富」や「道徳なき商業」などを制御していくとした。
「これまで『官』が独占してきた領域を『公』に開く」として、「新しい公共」実現に向け、NPOなどが活動しやすい環境整備のため寄付税制の拡充などを検討すると表明。今年5月をめどに具体的な提言をまとめる方針を明らかにした。
「地域主権の確立」では「ひも付き補助金の一括交付金化や出先機関の抜本的な改革などを含めた地域主権戦略大綱を策定する」と表明。夏以降に抜本的な省庁再編に取り組むことも表明した。議員定数削減や歳費見直しなどにも踏み込むとし、「改革を行う上でまず国会議員が範を垂れる必要がある」と指摘した。ただ、企業・団体献金については「開かれた議論を行っていく」として、全面禁止の方針は示さなかった。
経済財政政策では、「景気の二番底に陥らせない」として過去最大規模の当初予算を組んだことに理解を求めた。デフレ克服に向け「日銀と一体になって」経済政策を進める方針を打ち出した。一方、財政再建に向けた具体策は示さず、今年前半に「財政健全化に向けた長く大きな道筋を示す」とするにとどめた。
外交では、東アジア共同体について、「揺るぎない日米同盟」が構想実現の前提条件だとの認識を強調。今年、日米安保条約改定50周年を迎えたのを機に「重層的な同盟関係」を目指す考えを示した。また、沖縄の普天間飛行場の具体的移設先を5月末までに決める方針を表明した。
第174回国会における鳩山内閣総理大臣施政方針演説 - 平成22年1月29日
第174回国会における鳩山内閣総理大臣施政方針演説 - 平成22年1月29日
(52分間もあります。お暇な方はどうぞこちらをクリック!)