報道番組を思う
侘助 先日テレビで「激論クロスファイア」を見た。この中で田原総一郎氏は日本共産党委員長志位和夫氏に問うた。今国会で安倍内閣は出入国管理法改正案を衆院本会議で強行採決した。水道事業を「民営化」しやすくする水道法改正案を強行採決した。漁業法改正案を強行採決した。充分審議することもなく多数を持つ与党は採決を強行した。にもかかわらず現在の安倍内閣の支持率は41%、不支持は38%。なぜ、こんなに高いのかと、志位氏に問うていた。
呑助 そりゃ、国民が政治に無関心だからですよ。自分には無関係だと思っているから。何となく、今の自分の生活が続いていくならそれでいいと思っているからですよ。私はそう思います。
句郎 私はメディアが安倍政権を弁護しているからだと考えているだけどね。
呑助 そうですかね。私なんか、ほとんど新聞は読みませんね。読んだとしてもスポーツ欄とか、囲碁将棋欄、たまに芸能欄ですかね。政治欄などほとんど読みませんよ。私の仲間の一人はいつも朝
日新聞を職場に持ってきていますけども、一面のない新聞を持ってきていますよ。聞いてみると奥さんがテレビ面を置いて行けというからと言っていましたよ。
侘助 自宅にいる奥さんも新聞の一面を読むことはない。主に見るのはテレビ欄ということになるな。
呑助 大多数の国民は今の現状が続いていくならどこの政党でもかまわないと思っているのじゃないですか。だから特に安倍政権がいいと思っているわけじゃないと思いますよ。なんとなく今の自民党でいいやということなんじゃないでしようかね。
侘助 十代の後半頃、難しい本を読むことに興味を持ったことがある。その中の一冊にマルクスが書いた『ドイツ・イデオロギー』がある。この本の中で「その社会の支配的なイデオロギーはその社会の支配的な階級のイデオロギーである」という言葉に出会った。何を言っているのか、分からなかった。しかし勉強していくうちに分かってきた。そして今、つくづく良く実感して分かるようになった。昨日もTBSの報道番組を見た。中国の津新機器メーカー「ファーウェイ」のCFO孟晩舟さんがカナダでアメリカの要請によって逮捕された事件について報道していた。この番組は他の番組と比べたら報道番組に相応しいものだと言えるように思うが、松原キャスターの発言の端々に安倍政権に気を使っているのが分かった。
呑助 へぇー、そうですか。どんなことを述べていたんですか。
侘助 昔『チャーズ』という本を読んだことがある。この本の著者が遠藤誉さんだ。私は遠藤さんの講演も聞いたことがある。彼女は大変な中国通である。その遠藤さんはBSテレビ朝日の報道番組に出演し、「ファーウェイ」は自前で半導体の部品を製造していると述べていた。がしかし、BSTBSの報道番組に出演していたゲストは中国の通信機器メーカーはアメリカの半導体部品が無ければスマートフォンなどの製品は製造できなくなると発言をしていた。
呑助 中国は米国に敗北、ということですか。