


――それって、どんな感じ??と尋ねたら。

――キャリアウーマンのことでした

東京から長旅中の編集さんと茨木の ハウスで打ち合わせ。
「ふたごのあかちゃん2」について、お会いして打ち合わせをするのは2回目です。
編集さんは、とても仕事熱心です。
チハルも、仕事、大好きです。遊ぶのと、おんなじくらい
丁寧な絵本作りの打ち合わせは、とてもとても楽しいです。
打ち合わせ以外のおしゃべりも、それはそれは楽しいです。
ところで、編集さんは、幼いお子さんの「お父さん」です。
絵を担当してくださるはたこうしろうさんも、1歳の息子さんの「お父さん」です。
わたしは、ちっとも意識していなかったけれど、「ふたごのあかちゃん」は、「こどもとお父さん」で、とくに楽しめる絵本のようです。
来月中旬発売予定の『ふたごのあかちゃん』の帯には、編集さんが作ってくださったコピー、「お父さん必読!」の文字が光っています。
はたさんも、「ふたごのあかちゃん」のことを、ひとごとでない、とおっしゃっています。
今日届いたママさんからのメール(現在各園に配本中の並製本を親子で読んでくださって)にも、こんなメッセージがありました。
「ふたごのあかちゃん」を○○○(娘さんの名前)に読み終わると
○○○は、パパに抱っこ、高い高い、キスしてもらってました。
2回目からは「うふふ」を「○○○」にして読んで
というので、かえて読むとまた楽しそうでした。
「赤ちゃんなのにしゃべるのおかしいよねー」
と言いながらなんか楽しそう・・・
この頃よく「生まれた時の話して」といっていたので
○○○は赤ちゃんの気分で絵本をきいているのかなー
いいなぁ、おとうさん
こどものとき、おとこのこになりたかったチハルもね、
いまは、おかあさんだったり、おとうさんみたいだったりしています。
この絵本が、お父さんの立場からも楽しんでいただけること、思いがけない喜びです。
そんなこんなもあったりしてね、編集さんは、「ふたごのかちゃん2」でも、おとうさんの物語での行動をとても意識してくださいます。
そして、おかあさんのほうについては……
おかあさんの立場については、まがりなりにも母である、わたしが しかありません……
北川チハルの「りすかちゃんの おかいもの」収録
りすかちゃんの絵は、
ミヤハラ ヨウコさんに、お願いしました。
きれいで甘すぎない色づかい――
とくにミヤハラさんの桃色が大好きです。
雑誌のご案内、お求めは
学研 科学と学習の増刊 話のびっくり箱 から、どうぞ。
本誌の表紙絵は、竹内通雅さんです。
仕事の事務


ひとりで、やっていくのは、タイヘンです。
でも今日は、税理士さんに、はじめてほめられ、うれしかったョ

今日が怪談ゲラチェック①の〆切日だったことを思い出しました。

起きて、部屋の明かりとストーブと


標高500メートルほどの山にたつわが家からは、亀岡盆地を覆う丹波霧が雲海となって見えます。
例年10月くらいから、
「今日は見られるかな?」
と、毎朝どきどきしながら窓をあけるのが楽しみです。
今年はあたたかいからでしょうか、なかなかあらわれてくれなかったので、今朝の喜びはひとしおでした。
「俺が出てくる話を書いてよ」
自称「若かりし頃は松田優作」M氏がたびたび私に言うのです。気安い兄のような人。
「物語を書くにはネタがなくちゃ。ちょっと変わった事件とか」
「事件なァ……。おぅあるある!」
M氏は憂いを帯びた横顔で、クリスマス・イブの思い出話をはじめました。
「何年前やったかな、娘が寝たあと、嫁はんがお札を包んどうねん。サンタのプレゼント買う暇のうて、かわりに現金を娘の枕元に置いとくゆうてな。けど、そらあかんやろ、贈り物やねんから。俺、あわてて家中探してな、台所にあったチキンラーメン、包んでん。ほな次の朝、娘が泣いとうねん。包み紙、びりびりに破いてな、ラーメン、ごみ箱に捨てとうねん。あれは、えらい事件やったヮ」
……サンタクロースって、子どもにラーメンをプレゼントしたりするのかなあ……?
泉下で優作サンも泣いてるョ、なんて笑いつつ、しばし想いを馳せました。
サンタの贈り物を心待ちにしていた、娘さんの大ショック。
子への懸命な愛が空振りしちゃった父ちゃん、M氏の落胆。
捨てられたチキンラーメンだってかわいそう。クリスマスには、チキンがもてはやされたりするのにさ、チキンラーメンは、そっぽを向かれちゃうなんて。
さらにM氏には気の毒ながら、この事件は、童話向きでないように感じました。
とはいえ、創作の力をもってすれば、既存のクリスマス童話とは一味ちがったものができるかな。ものすご~く現実的で、はちゃめちゃだけど、愛にあふれた家族の物語が生まれそう……。
そんなこんなを心のすみであたためていたところ、M氏と天のお達しか、出版社から「明るく愉快な絵童話を」と、嬉しい依頼が舞いこみました。
そして書きあげたのが最新刊『うちゅういちのタコさんた』(国土社)です。タコ焼き屋の父ちゃんと、トラック運転手の母ちゃん、元気な関西生まれの女の子、たまこファミリーの物語。
この物語を書くにつれ、主人公たまこの気持ちに触発されて、自らのおさない記憶が呼び覚まされていきました。
そういえば、私はサンタさんからプレゼントをもらったことがなかったなァ。それでも別段気にとめず、のびのびとすごしていたのはなぜかしら?
もしかして、クリスマスにも動じない、超現実的な家族から……目には見えない贈り物を、受け取っていたのかもしれないな。
■京都新聞 2006年12月5日火曜日 丹波ワイド版 口丹随想掲載
「ふたごのあかちゃん2」部分的な見直し稿その1を送りました。
古典階段……もとい、古典怪談シリーズのゲラが速達で届きました。
2編リライトしたうちの1編です。
おいおい2編目も届くのでしょう。
今日届いたのはスプラッター

つかれているのはからだなのかな、こころかな。
早く休んだほうがよいとわかっているけれど。
頭のサーモスタットが起動して、今日のブログのタイトル、浮かびません。
落葉のころになると、仕事部屋の窓の網戸をはずします。
窓のむこうにやってくる、鳥たちのすがたをよく見たくって。
天気が下り坂になってくると、いろんな鳥たちが、入れかわり立ちかわり、ヤマウルシの実をつつきにくるよ。
(私は、もうすぐ


めじろは、たいていペアを組んで


えながは10羽前後の群れをなして飛んできて、すると、とたんにどこからともなく、しじゅうからが、さりげなーく舞いこんで、群れにまざって、いっしょに食事をはじめるの。
大きな鳥に追い払われないようにって作戦かしら?
この冬も、鳥たちのドラマが楽しみです

▼クリスマスの衝撃
幼い頃のこと。十二月生まれの私に母から誕生日の贈り物がありました。包装紙には、赤服姿の爺様が、うじゃうじゃ笑っているのでした。そして夏生まれの兄も同じ日に、同じ包装紙の贈り物をもらうのだから不思議でした。
「お兄ちゃんは、夏にプレゼントがあったのに。なぜまたもらえるの?」
「今回のはクリスマス・プレゼントよ」
答える母に、聞くこと再び。
「私のは、クリスマス・プレゼント? それとも誕生日プレゼント?」
「ふたつぶん、まとめてあるんだよ」
えっ! 私の大事な記念日が、あやしげな赤服さんのイベントにまとめられてしまうなんて……。しかも包装紙からして、どちらが主役か一目瞭然。
ヒドイヨヒドイ、赤服爺。生身のあなたは家に一度もきてくれず、おまけに誕生日のじゃままでするつもり?
▼タコ焼きの衝撃
結婚を機に関西に住みはじめた私は、タコ焼きの大歓迎を受けました。
① 昼食にと夫が台所でタコ焼きを作りだした。(自家用タコ焼き器があるなんて。そもそもタコ焼きって、ゴハンになるの?)
② 近所のママさんグループによる「タコ焼きパーティ」の開催。(全員myタコ焼き器持参。朝から夕まで焼いて焼いて食べつづける…)
③ 道端のいたるところにタコ焼き屋。(競争率激しそう。やっていける?)
④ スーパーの冷凍食品売り場に、チンするタコ焼きジャンボパック。(おやつに弁当に大好評!?)
自分には無関係だと思っていた事がらが、ふとした出会いの衝撃で、きわめて私的で重要な意味を持ちはじめることもある――そんな変哲のない日常が、おかしくて、愛おしくてなりません。
絵童話『うちゅういちのタコさんた』の主人公、大阪生まれのたまこにも、作者とは一味違う「タコ焼きとクリスマスの衝撃」がありました。それについては、たごもりのりこさんの描かれた、愉快なタコタコ星人にお会いになっていただければわかります。
■こどもの本<日本児童図書出版協会> 2006年12月号 私の新刊掲載