風のうたった歌ー立原道造ー 2021-07-01 17:25:24 | Weblog 『風のうたった歌』 一日 草はしゃべるだけ 一日 空は騒ぐだけ 日なたへ 日かげへ過ぎて行くと ああ 花 色とにおいとかがやきと むかしむかし そのむかし 子供は 花のなかにいた しあわせばかり 歌ばかり 子供は とおく旅に出た かすかに揺れる木のなかへ 忘れてしまった木のなかへ やさしく やさしく笑いながら そよぎながら ためらいながら ひねもす 梢を移るだけ ひねもす 空に消えるだけ 『拾遺詩篇』ー立原道造ー