ウォーホール左派

今日も作詩、明日もまた、本格詩人のブログ。

春だったりする

2008-01-08 15:16:59 | Weblog
空間のほとばしり
陽射しは くね くねっと のたうち

ホ・ト・バ・シ・ル

春だったりする日
肉体は軟らかく 伸びきって
太陽を握りつぶしてみたり
口の中のキャンディーだったり
アイスクリームが食べたかったり
ざわめきの中で忙しい

弾け飛ぶ ソーダ水
氷は思いのほか早く溶ける
味も色も薄まって 心地よい

くねっとした体に
みずみずしい唇で吸い取る ソーダ水
緑に透ける 液体は
ストローで加速して

流動の快感が
今 喉もとへ落ちた

龍女の・・・

2008-01-08 11:28:22 | Weblog
立ち昇り 斜頚の日
紫煙の薫りに不思議に色めき立つ

煌き 重い日輪 くねる日差し
とどかぬ窓のない部屋
赤外線ヒーターの鈍い光に目を そっと閉じて

紅い瞼の裏で
妖艶な瞳 輝かす
くねくねと
龍女と不思議な遊びをする

息を潜めて
白龍を見つめる

こちらへおいで
こちらへと
哀愁の目配せで
体をくねらせて
しなを作り
人肌の風は赤く吹くので
湿らせた部屋が
軟らかな繊毛の上を伏臥して動くようだ

腕を龍女に捧げると
白く彼女は散って

私の体に巻きついている


Father 鮎川!

2008-01-06 23:14:41 | Weblog
息が途絶える 闇の極北
袋小路 薄汚れた壁
暗黒の針 立つ  視界

視野はつづまる
うす暗闇の復員船
船倉の壁のシミを
いとおしさで見つめ続けた

どこへも行けない

終わりが始まった

そこから始める
狂おしく
狂気

Father Father 鮎川!
 
沈黙の死者と
遺言執行人

携えた
重い言葉

のべひらく北極海航路

2008-01-06 17:55:45 | Weblog
心を のべひらく

凪いだ 北の方へ

静まり返った部屋で
北向きのベッド
伏臥した 頭の上を
船が通り過ぎている

北極海航路が開かれる時
涙は溢れるのだろう

極海に船影が一つ 二つ
新たなる開闢の月日
遠い昔のデジャビュがやって来る

極海に船影が一つ 二つ
新たなるステージの月日
思い出の日々に花を添えて祈ってみたり

流砂の街

2008-01-02 15:17:45 | Weblog
乾ききった滴りの速さで
砂漠に打ち捨てられた
砂時計は時を刻み始めて
砂礫の大山に沈む

夜の生き物のように蠢動する
艶かしく くねくね
流砂は崩れ去り
乾いた海へ向かう

防波堤が張り巡らされ
突堤の遥か先に
灯台のような高層ビルが輝いている

大腿骨の起立の風景に
ひたひたと押し寄せる
生々しい流砂
大海原の波

砂漠の寄せてくる
武装した海岸の街
流砂に耐え
波を防ぎ

旧市街の石畳の細い路地
人家は密集して
白熱灯の街路灯が灯り
乾ききった風が街を通り過ぎ

今 放し飼いにされた犬が路地を曲がった
家々から漏れ来る明かり

足早に過ぎて
開けた見晴らしのいい場所
内陸は流砂の漆黒
防波堤の海側は
林立する高層ビルの輝く
光の海

輝く雲

2008-01-01 19:10:18 | Weblog
南中 傾きかげん
午後は冬枯れて
ゆっくり暮れ始め
つる草の茎は乾く

雲が湧き立つ
空き地の水溜りに
空が留まり

太陽が雲に隠され
疾風が翔る
空と大地が近づいているだ

風に揺れた
水境のなごり

水溜りに波が立つ
鏡は像を結び直し

雲が揺れている
太陽を飲み込んで
黄金に輝いている

焼けた雲
輝く縁どりをもった雲