今年初めて海から見る日の出は、雲の間からだった。
「風が強くらなければ良いですね」
この時期、悩まされる強い北西の風が16メートルと、天気予報で出ていたからだ。
朝のうちは、以外と風も波も静かだった。
ポイントに走る間、時折、ベイト柱が出てくる。
「今年も初釣りは、良いベイトが出てますね」
初釣りのスタート。
「良い感じで、ベイトが海底から浮き上がっています」
すると、矢越さんに一投目にアタリが来た。
竿が、気持ちの良い円弧を、描いている。
初釣りの一投目にアタリがくる。
「持っていますね」と、嬉しくなってくる。
「青物かな」「ハガツオかな」と、側で色々と想像しながらタモを構える。
「見えた。真鯛です」
67センチ、3キロ超の良型真鯛。
「70センチに後少しでしたね」
正月から、目出度い真鯛が来た。
初釣りは、「釣れるだろうか」という緊張感を常に持っている。
「良かった!」と、つい心の本音が口に出てしまう。
この真鯛に、果然ファイトが出てきた塩田さん。
船を移動して、直ぐにベイトの中にジグを落としていく。
「来ました!」
竿先が少し震えるようなアタリ。
「ハガツオかな」
魚が食いあげているようで、ラインが弛む。
弛みを取っていると、今度は真下に走り出した。
ドラッグから、ラインが出ていく。
「カンパチかもしれない」
期待が膨らんでいく。
何度も突っ込みを見せながら、海面に浮いてきた。
「鰤です!」
96センチの見事な鰤だ。
「やりましたね。正月から良い鰤が来ましたね」
矢越さんと一緒に祝福する。
ラインで、釣り仲間にも連絡する。
真鯛と鰤で、船上は大賑わい。
「目出度い真鯛と鰤で、2018年の初釣りが祝えましたね」
しっかりと、神経締めと血抜きをして、クーラーに納める。
「今夜は、鰤シャブで祝いだね」
笑顔一杯の初釣りになった。