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台風一過と「ナガコガネグモ」

2014年08月14日 | 農業
台風12号、11号の鬼雨は日本列島をほぼ暴れまわって熱帯低気圧となって消えた。一時突風に見舞われた出穂の「あきたこまち」の一部に、かき回された跡が見えたがすでに回復。湯沢の川連地区は大きな雨の被害もなく経過した。昨日12日まで曇天が続いたが13日は快晴。早朝の田んぼは霧がかかっていた。「あきたこもち」は出穂期になって幾分丈が伸長した。「鬼雨」から逃れた今朝の田んぼは格別美しい。


あきたこまちの出穂とクモの巣 2014.8.13 

この地区の出穂期の朝日は鍋釣山の上から昇る。霧に覆われている集落も今朝の朝日はまばゆい。霧も徐々に上がり始めたが、視界はまだせいぜい150m程しかない。台風が去った田んぼ一面のクモの巣、朝露に濡れるのを嫌ったのかクモは見渡らない。「アシナガグモ」の巣だろうか。「ナガコガネグモ」もいた。「ナガコガネグモ」(長黄金蜘蛛、学名: Argiope bruennichi)と呼ばられている。台風の影響で巣を作ることもできず、じっとこらえて昨夜待ちわびて巣をつくったらしい。風と雨の12号、11号台風の期間クモの糸も張れず、エサにありつけずハラペコだったのかもしれない。台風が去った今朝のクモの巣は見事なくらい多かった。「ナガコガネグモ」の名前の由来には諸説があるが、体の形状が小判に見える事から「黄金のフリをした蜘蛛」と言う意味でコガネグモ(黄金蜘蛛)と言い、胴体が長細くなる傾向にあることから、「ナガコガネグモ」と呼ばれている。


田んぼ一面のクモの巣 2014.8.13 

田圃一面のクモの糸、赤トンボが朝日が登るのをジッと待っていた。稲の葉の陰で朝露を避けているのか主のクモの姿は見えない。


赤トンボとクモの巣 2014.8.13 

鍋釣山の上の朝日は、霧の雄長子内岳を照らしている。よく見ると急峻で三角の形の稜線が浮き出ている。なにか山裾も濃い霧で見えず、突如浮き出たような幻想の世界にも見える。


霞む稲川のマッターホルン(雄長子内岳)2014.8.13 

すっかり霧の消えた田んぼに行ってみると、今朝あれほどあった「クモの巣」がほとんどなかった。台風あとの晴天、小気味のよいそよ風で稲穂が揺れる。ゆれるからあのクモの糸は消えていた。昼近くになってペアのアカトンボがいた。今朝の「ナガコガネグモ」の巣の近くのアカトンボもいよいよ山から戻ってきたに違いがない。

 ナガコガネグモ 2014.8.13 

「ナガコガネグモ」は刺激を受けると、網を強く揺さぶる行動をとる。クモは常に網の中央に頭を下に陣取る。腹部の黄色と黒の細かいしま模様が13本ある。田んぼの周りを見まわってやっと一匹、「ナガコガネグモ」をみつけた。「ナガコガネグモ」は夏に発生し、大きな網を張りめぐらしイナゴ、カメムシ等をよく捕まえる。クモは田んぼの害虫を食べる益虫。カメムシ大発生の報の中、「ナガコガネグモ」にもっと多く、クモの網で「あきたこまち」を包み込めと声をかけた。