2017年がスタートしました。
「鎌倉今村」は、主婦の私が起業して16年目の元旦を迎えた。
ありがたいことにその当時からのスタッフもいてくれる。
しかし、商品企画、営業、販売のほとんどを私がやっている。
私を叱る人、注意する人は会社にはいない。
昨年、私はある危機感から、以前から企てていたことを一つ実行した。
何十年ぶりに履歴書を買って、張り紙を見て、アルバイト活動をし、就業した。
私が選んだ職種は調理場で,食器洗いと調理の補助の仕事に就いた。
鎌倉で「急募」と但し書きのある張り紙のお店を選び、まずレストラン、お蕎麦屋さんに電話をした。
年齢を言うと「あとで責任者から連絡させます」と言われ、結局数日待っても連絡は来なかった。
三軒目のスタィリッシュな和ダイニングで面接までこぎつけた。
「未経験ですよね、で、社長ですよねー」
履歴書を見ながら調理長が聞いた。
そこで、私は応募動機を正直に伝えた。
常日頃私が抱いていた危機感というものは、生涯現役で働きたい、働けるだろうかという事。
しかし、天変地異などに見舞われたら、私の作り出す商品なんて何の意味もない気がした。
一番は「食」だと思っている、食に携わる仕事を経験したいと思っていた。それも1歳でも若いうちに。
その次に、女性だけのスタッフで、顔ぶれも変わらない(これは感謝すべきことです)中で、
時々「ワーッ!」となる私がいる事・・・、コミック的に言うとですが。
それで「調理場」という、未経験の男性中心の仕事場を選んだのです。
「俺のおふくろと同じ歳かー、面白いねー」と料理長はうなずきながら、「でも大変だよー」と付け加えた。
「短期でも可かと書いてあったので、勝手なお願いですが、週三日、三か月働かせてください」と頼み込んだ。
調理長は立ち上がり,部屋の奥から白い制服のようなものを手渡し「明日から来て」と微笑んだ。
その白い調理人用の制服は「ダボ」と呼ばれているもので、次の日から私はそれに白のパンツ、
頭に手拭いを巻き調理場に立つようになった。
辛く、楽しく、貴重な体験談の続きは…、明日また。