先月来日してコンサートを開いていたと聞く。
90歳を過ぎて休憩も入れず20数曲を歌ったと。
私は20代のある日、確か新宿の厚生年金会館でアズナブールの歌に酔いしれた。
小柄で洒脱なおじさまは、大人の恋心をこれでもかとソフトにイヤ、激しく語り掛けた。
とにかく本場のシャンソンの初めての出会いがアズナブールなんて・・・、
幸せでした。
90代で現役で、たくさんの人に感動を与え、さっと、文字通り舞台を降りるなんて、なんて見事なんでしょう。
何の脈略もなく大坂なおみの試合のニュースを思い起こした。
泣きながらラケットを振っている映像だった。
泣きながら、勝負に挑んでいる姿だった。
私は泣きながら仕事をした経験なんてあっただろうか?
泣くことがどうのこうのというより、自分の限界の縁、見てないです。
それどころか、年々気力体力の衰えも、緩やかだが、緩やかだが感じる。
仕事の単純ミスも目立つ。
いいんですよね、判っていれば。
「順調に歳取っているんだ」と折り合いをつける。
自分を甘やかさないけど「大丈夫だよ」と時々自分に囁く。
ちょっと、珍しくブルーです。