町田の仕事場に向かう電車の中で、何の脈略もなく猫のことを思っていた。
私は猫を飼ったことがないが、周りに「猫・命」の知人が多い。
あの、ふんわり感、それでいてわが道を行く癒し系の愛しい生き物・・・
可愛いのだろーなー、と何となく思っていた。
で、突然、唐突に私は「ニャー」と鳴いて、いえ「ニャー」と言葉を発してしまった。
電車の中だ、車内は混んでいた。
きものを着た、初老(いやな言葉)の女性が「ニャー」と突然口走ったら誰でも驚く。
不気味だ。何より驚いたのは私自身だ。
身がすくむ・・・、居たたまれない・・・
とにかくじっと息をひそめていた。
考えた。思い当たる節がある。
一人で工房で仕事をしていると、やたら独り言を云うことがある。
そのせいかと思った。
気を付けよう、やれやれ。
私のすぐ横で熱心に本を読んでいたロマンスグレーのおじさまはポーカーフェイス。
でも、気のせいか少し距離をとられた。