超空洞からの贈り物

様々なニュースや日常のレビューをメインに暗黒物質並に見つけ難い事を観測する、知識・興味・ムダ提供型共用ネタ帳です。

先制攻撃発言は宣戦布告

2010年01月24日 22時31分58秒 | 軍事
韓国の金泰栄国防相が「北朝鮮が核攻撃の兆候を見せれば韓国は先制攻撃を加える」と発言したことを受けて、北朝鮮の朝鮮人民軍は24日「宣戦布告だ」と韓国を批判する声明を発表した。北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)が報じた。

 同紙によると、北朝鮮の当局は「韓国の傀儡(かいらい)政権が何らかの攻撃を試みた場合、我々は即座に徹底的な軍事行動を起こし、韓国軍の司令部など主要目標を破壊する」と述べている。

 金国防相は20日、韓国のソウル市内で開かれたシンポジウムで「北朝鮮から核攻撃を受けてからでは遅すぎるし、被害も大きくなりすぎるだろう」と述べ、北朝鮮から核攻撃を受ける兆候があれば先制攻撃に出る意向だと発言した。金国防相は合同参謀本部議長だった2008年にも同様の発言をしている。

シジュウカラの精子の活力は色に現れる

2010年01月24日 05時25分23秒 | 自然
 シジュウカラのオスを対象に羽毛の色鮮やかさと精子の活力との関係を調べる研究が初めて行われ、胸部に派手な模様のあるオスほど精子が強力であると明らかになった。
 自らの子孫を残すため、シジュウカラのオスは色鮮やかな羽毛を使って自身がオスとして優れていることをメスにアピールする。一方メスも同じ目的で、優秀な精子を持つオスを外見から見極めようと必死だ。

 人間を含む多くの生物の精子は、活性酸素フリーラジカルによってダメージを受けることが知られている。フリーラジカルは、汚染などのさまざまな要因によってストレスがかかると精液中に生成され、精子の運動能力を低下させる。

 フリーラジカルに対抗するため、生物の多くは体内で抗酸化物質を生成している。シジュウカラが持つ抗酸化物質カロチノイドは、フリーラジカルから精子を守り、同時に胸部の羽毛を黄色にする作用があるのだ。

 今回の研究では、カロチノイドを多く有するオスほど羽毛の色が濃く、精子もフリーラジカルの攻撃に強い耐性を持つことがわかった。メスはこの違いを認識したうえで、色鮮やかなオスを探しているのかもしれない。

 スイスにあるベルン大学の進化生態学者で研究チームのリーダーを務めたファブライス・ヘルフェンスタイン氏は、「人間の男性は羽毛で飾り立てられているわけではないが、シジュウカラに類似する点もある」と話す。例えば、フリーラジカルは不妊症の主な原因であると考えられている。さらに、容貌が魅力的な男性ほど精子の質が高いことを示す研究結果もあるという。

 2008年、ヘルフェンスタイン氏らの研究チームは、羽毛の色と精子の関係を詳しく調査するため、スイスのベルンで29組のシジュウカラのつがいに育児負担を増やす実験を行った。負荷がもたらすストレスによって、フリーラジカルが増加することが確認されているからだ。

 シジュウカラのつがいは、雌雄が交代で卵を温める。ヒナがかえった2日後、研究チームは巣に別のヒナを2匹加えた。比較対象のため、手を加えない31組の巣も同時に観察を行った。

 ヒナが孵化してからの1週間後と2週間後それぞれの時点で、ストレスを与えたオスと比較対象のオスの総排出腔(直腸、排尿口、生殖口などを兼ねる器官)にマッサージを施して精子を採取した。

 採取した精子は顕微鏡で観察し、運動の活発さが調べられた。なお、ヘルフェンスタイン氏によると、奇妙にクルクルと動き回る人間の精子とは異なり、シジュウカラの精子は”一直線に”進むという。

 ストレスを与えなかったオスの間では精子の活力に差はほとんどなかった。一方ストレスを与えたオス同士を比較すると、羽毛の色が薄いオスほど、色の濃いオスに比べて精子が弱っていた。カロチノイドがストレスに対する耐性を高めていることがわかる。

 しかし2週間後に採取されたサンプルでは、羽毛の色が薄いオスの精子の質はわずかに低下していただけだった。「Ecology Letters」誌に発表された最新の研究によると、この結果は、羽毛の色が薄くても、ストレス負荷時において一定の時間が経過すれば耐性ができることを示しているという。

 さらに今回の調査では、カロチノイドを混ぜたウジ虫をエサとして与える実験も2度行われた。ストレスを与えなかったオスに対しては、カロチノイドを含まないウジ虫が与えられた。「羽毛の色が薄いオスの精子は、この“ビタミン補給”によって質が向上した。これは、カロチノイドと精子の活力の関連性を裏付ける結果だ」とヘルフェンスタイン氏は話す。

 今回の実験結果は、メスのシジュウカラが“浮気者”である理由も示していると同氏は言う。「望むときにいつでも魅力的なオスと出会えるわけではないのだから、地味なオスを仕方なく受け入れる場合もあるだろう。だがその場合でも、優秀な精子を持つ美形とこっそり浮気するのだ」。

 天敵に見つけられやすくなるという危険もかえりみず、オスは自身の体色を懸命に誇示する。この理由は長い間謎に包まれてきた。「今回の研究は、この謎を解明するための第一歩となるだろう」と同氏は話している。

パナソニック充電式EVOLTA e(イー)発売

2010年01月24日 04時25分42秒 | 家電・生活用品
 パナソニックは、同社が発売するニッケル水素電池のエントリーモデル「充電式EVOLTA e(エボルタ イー)」を、4月20日に発売する。ラインナップは表の通り。

 パナソニックの充電池シリーズ「充電式EVOLTA」のエントリーモデルに当たる製品。単三電池4本セットの価格を比べると、通常モデル「充電式EVOLTA」の価格は1,600円前後(製品発表当時の店頭予想価格)に対し、今回の「e」では1,100円前後と、約3割安くなっている。

 一方で電池容量は、通常モデルが2,000mAhに対し、eでは1,000mAhと、半分になっている。

 また、通常モデルよりも繰り返し使用回数が増加。電池の正極の加工やセパレータの素材を改良することで、通常モデルでは約1,200回に対し、eは約1,500回となっている。これは、三洋電池のニッケル水素電池「eneloop(エネループ)」と同じ数値となる。

 このほか、電動歯ブラシやシェーバーなど、中電流領域の機器で使用する場合には、アルカリ電池よりも長時間使用できるという。

 同社は、乾電池から充電池へ切り替える際に、約40%が価格面に反応しているという調査結果から、充電池の普及は「環境意識への対応」に加えて「経済性」が重要としている。既に発売している通常モデルとともに、充電式電池の定着を目指すとしている。なお、今回は単三形のみの発売となる。

 単三形のサイズは14.5×50.5mm(直径×高さ)で、重量は約29g。

 BK-KJQ05L20に付属する充電器は、新モデルとなる「BQ-CC05」。単三形が2本まで、単四形も2本まで使用可能。単三形の充電時間は10時間。サイズは約55×28.5×122mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約80g。AC100-240Vに対応。充電1回当たりの電気代は約1.1円。

謎の“彗星”は小惑星衝突の残骸?

2010年01月24日 02時50分58秒 | 宇宙
 地上の望遠鏡がとらえた画像から最近見つかった、彗星に似た興味深い天体は、小惑星同士が高速で衝突してできた副産物である可能性があるとの報告がなされた。もし立証されれば、小惑星の衝突直後の状況が初めて観測されたことになる。

 画像の中のぼんやりとした輪郭の謎の天体P/2010 A2 (LINEAR) は、全長が21万~30万5000キロある。その尾は、太陽系の主小惑星帯の一部を横切るように伸びている。主小惑星帯は地球から約4億200万キロの火星と木星の間にあり、数十万個もの小惑星が軌道を周回している。

 ほとんどの彗星は、太陽系の外縁に近い低温の空間まで伸びる長い楕円軌道で太陽を公転していると考えられており、その公転周期のほとんどを太陽から離れた場所で過ごしている。彗星が太陽に近づくと、彗星の揮発性の高い氷が熱で気化し、その気体がさらに太陽放射に押し出されて尾を作る。

 しかし、今回問題となっている天体は太陽系の外縁よりも温度の高い小惑星帯に突然現れ、しかもその一帯で生まれた可能性があることが大きな謎となっている。アリゾナ州ツーソン近郊のキットピーク国立天文台でこの天体を観測している研究チームの1つに所属するアリゾナ大学の惑星科学者ジム・スコッティ氏は、「この天体が何なのか今も究明中だ」と言う。

 この天体の特異さから、その明るい“尾”は小さな小惑星が大きな小惑星に衝突した直後の破片の集まりではないかとする説も提出されており、スコッティ氏はこれを支持する。

 この天体の先端付近に現在も見える直径200メートルの岩石が、衝突した小惑星のうちの1つである可能性が高い。衝突した小さい方の小惑星は、おそらく直径が数メートルしかなかっただろう。この小惑星帯ではこのサイズの小惑星が大部分を占めるからである。スコッティ氏によれば、もし衝突が起きたとしても正面衝突ではなかったはずだという。それでも衝突速度は秒速1~10キロと考えられ、地球から見えるほどの破片を残すには十分なスピードだ。

 実際に小惑星衝突が観測された例はまだないが、衝突が頻繁に起きていることを示す証拠には事欠かない。例えば、確認されている小惑星のすべてに衝突の跡である衝突クレーターが残っている。また、同じ“両親”から生まれたと考えられる小惑星の集団もある。「小惑星帯にはこのような衝突の証拠があるため、いつか実際の衝突を目撃したとしても驚くにはあたらない」とスコッティ氏は期待する。

 しかし問題は、同氏が認めるように、「小惑星の衝突が実際にはどのようなものなのか、詳細に分かっているとは言えない」ことだ。「ある程度のイメージは持っているが、破片の大きさや速度、破片がどこに向かうか、どのくらいの期間観測できる可能性があるかといった問題について、本格的にモデル化して研究した人がいるかは定かではない」。

 現状では、P/2010 A2 (LINEAR) が衝突後の破片のようにゆっくりと拡散していくのか、それとも彗星のような振舞いを続けるのかを見守るしかないが、後者であれば新たな疑問が突き付けられる。

 小惑星帯の軌道には、彗星に似た天体はごくわずかしか確認されていない。しかしP/2010 A2 (LINEAR) が本当に彗星ならば、太陽系が生まれてから現在までの時間に匹敵する約45億年もの間、これほどまでに太陽に近い距離で氷を保ち続け、しかも未確認の何らかの出来事をきっかけに今になって気体を発し始めたのはなぜなのか?

「太陽に長期間照らされ、物体が乾燥して固まったのだ」とスコッティ氏は答える。「ある日突然“尾”を作り始める可能性があるような揮発性の物質が、そのような長期間に渡って天体に蓄積されたままでいられたとは想像しにくい。ただ、もっと不思議なことだっていくらでも起きているからね」。

マダガスカルの哺乳類は大陸から漂着

2010年01月24日 02時23分58秒 | 自然
 インド洋のマダガスカル島に生息するワオキツネザルやオオコウモリといった哺乳類の祖先は、丸太などの漂流物に乗ってこの島にたどり着いたということが最新のコンピューターモデルで示された。ライオンやシマウマがマダガスカル島に打ち上げられて新しい生活を始めるというアニメ映画『マダガスカル』は、あながち嘘でもなかったようだ。

 アフリカ大陸の南東部に生息していた哺乳類が嵐で海に流され、大きな木の幹や草木でできた“絨毯”に乗ってマダガスカル島に“漂着”したとする説は70年前から唱えられており、今回のモデルはこの説を裏付けるものだ。遭難した古代の動物たちは海流に乗って大海原を数週間漂った末にマダガスカル島に到達したという。

 マダガスカルの哺乳類については漂流説のほかに、大陸移動で消滅するまでアフリカ大陸とマダガスカル島の間にあった陸橋を渡ってきたとする説もある。しかし、遺伝学的証拠や生態学的証拠から見ると漂流説の方が理にかなっている。

 漂流説の問題点の1つは、マダガスカル島付近の現在の海流と卓越風が、いずれも東から西に、つまりアフリカ大陸から島に近づく方向ではなく、島からアフリカ大陸に向けて離れる方向に向かっていることだった。しかし今回、通常は地球温暖化の研究に使われるコンピューター・シミュレーションを使用した結果、5000万年前の海流は現在よりもマダガスカル島に漂着しやすいものだったと考えられる。

「生物学者たちの言うとおりだった」と、アメリカのインディアナ州にあるパデュー大学の古気候学者で今回の研究に参加したマシュー・フーバー氏は話す。

マダガスカル島の哺乳類が陸橋を渡ってきたとする説の弱点は、現在のマダガスカル島に主に4種類の哺乳類しか生息していないことだ。これらの哺乳類はアフリカ大陸にいる哺乳類の遠い親戚にあたるが、どれも体が比較的小さい。「アフリカとマダガスカルの間に陸橋があったのなら、ゾウやライオンといった大型の動物が渡って来なかったのはなぜだろうか」とフーバー氏は疑問を投げかける。

 さらに遺伝学的証拠から見ると、マダガスカル島の哺乳類は数百万年の間隔で断続的にやって来たと考えられる。キツネザルがおよそ5000万年前に移動したのを皮切りに、ハリネズミに似たテンレック、続いてフォッサなどマングースの仲間の肉食動物が移動し、最後に齧歯類(げっしるい)が2400万年前に来たという。

 漂流説の方が生物学的証拠と一致することから、フーバー氏と、今回の研究の共著者である香港大学のジェイソン・アリ氏は、マダガスカル島周辺の海流が時間とともに変化したのではないかと考えた。

 実は5000万年前のアフリカ大陸とマダガスカル島は、大陸移動のために現在の場所よりおよそ1600キロ南に位置していたと両氏は指摘する。そこで、古代の地球の海洋データと大気データを最新の気候モデルに当てはめると、当時のアフリカ大陸とマダガスカル島の付近の海流は、予想どおり西から東に、すなわちアフリカ大陸からマダガスカル島に向かって流れていたことがわかった。

 フーバー氏は、海流が最も速く流れていた場合でも、430キロ離れたマダガスカル島に漂着するまで約3週間かかったと推測する。「今回のシミュレーションから、このような非常に速い海流が起こることはめったにないと考えられる。おそらく100年に1カ月程度だっただろう」。そして、小型の哺乳類はそもそも代謝が低いため、それほど多くの食料や真水がなくても数週間は生きることができたはずだと両氏は推測する。

 今回の研究に参加していないが、論文の掲載にあたって査読を担当したデューク大学キツネザル・センター長アン・ヨーデル氏は、新発見を次のように評価する。「とても興奮した。結果自体には驚いていないが、そのような結果が出たことに満足している。私にとってこの論争は決着した。マダガスカル島の哺乳類はアフリカ大陸から海を漂流してマダガスカル島に来たのだ」。

 一方フーバー氏は、今回のコンピューターシミュレーションは他の生物学的な謎の解明にも役立つ可能性があると期待する。「サルがどのようにして南アメリカ大陸に到達したのかを説明できないか検討するつもりだ。古生物学の研究成果から、サルが南アメリカ大陸にたどり着いたのは始新世(5580万~3390万年前)、つまり南アメリカ大陸が他のどの陸地とも繋がっていなかった時期と考えられるからだ。彼らもアフリカ大陸から漂流物に乗って来たに違いない」。

脳科学の都市伝説にはご注意を

2010年01月24日 01時22分54秒 | サイエンス
 世は空前の脳科学ブーム。タイトルに脳のつく書籍は、この5年間で3000冊以上も出版された。しかし、脳に関する気になる話は、研究結果を拡大解釈した俗説も少なくない。


 経済協力開発機構(OECD)は、こうした俗説を「神経神話」と呼ぶ。典型的な例として「〈論理的な左脳〉と〈創造的な右脳〉」というような単純な区分けと、3歳児までに豊かで多様な刺激を与えた方が頭が良くなるという「3歳児神話」の二つをあげる。

 テレビゲームをやり続けると、子供がキレやすく反社会的になるという「ゲーム脳」も、神話のひとつ。「前頭葉で脳波のアルファ波が増え、逆にベータ波が激減するパターンは認知症と一緒」というのが根拠で、教育関係者らに広く支持された。しかし、「脳科学の真実」という著書もある坂井克之・東京大学准教授(脳科学)は「ベータ波はリラックス時にも減る。結論が先にあってデータを使っただけで、脳活動のデータが何を示しているのかの判断は難しい」と批判する。

 ◆脳トレだけの効果は「?」◆

 簡単な計算や音読で脳を鍛えるという「脳トレ」もブームになった。認知症の予防に応用した学習療法も広がっている。お年寄りが脳トレに取り組み、認知症が改善したというデータも出ているが、学習療法では介護スタッフが励まし、褒めることが重要な要素だ。スタッフがお年寄りの隠れた能力に気づき、その能力を引き出す側面も大きい。

 脳トレを提唱した川島隆太・東北大学教授は「学習療法の目的は、認知症の改善で、どの要素が効いているかは重要ではない」と主張するが、坂井さんは「脳トレだけの効果なのか、科学的に検証されていない」と指摘する。

 ◆実際の研究とはミゾ◆

 こうした神話が続々と生まれるようになったのは、1990年代以降。磁気共鳴画像(MRI)など脳の分析技術が発達し、脳の画像が手軽に手に入るようになってからだ。

 兵庫教育大学の松村京子教授は「家庭や教育現場で脳科学への関心が高まっているが、実際の研究との間には溝がある。その分、単純化された説明を受け入れがち」と指摘する。ウソの話も脳の画像と一緒に説明すると、信じる人が増えるという研究もある。

 専門家でつくる日本神経科学学会も今月、科学的な根拠を明確にした情報発信を求める声明を出して現状に警鐘を鳴らした。脳の研究は教育や医療に応用されることが多いだけに、情報の出し手も受け手側も注意が必要だ。

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた原始銀河

2010年01月24日 00時22分02秒 | 宇宙
ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が見つけた最遠方の銀河はとても小さく、現在の宇宙で見られる大きな銀河の「種」と考えられるそうだ。宇宙で最初に誕生した星のルーツに迫れるかもしれないという。

HSTが赤外線カメラ「WFC3」で2009年8月に撮影した「ハッブル・ウルトラ・ディープ・フィールド(HUDF)」のデータを複数の研究チームが分析した結果、宇宙の原始時代と言える約130億年前に存在していた銀河が発見された。

英・エジンバラ大学の天文研究所のRoss McLure氏らの研究チームは29個の遠方銀河を検出し、そのうち12個はビッグバンから8.9億年程度、4個は7.8億年程度と、かなり早い時期の宇宙に存在する銀河であることを明らかにした。

同大学のJames Dunlop氏は「これらの銀河は、初期宇宙に誕生した星のルーツに迫るものかもしれません。HSTの観測の限度を超えた宇宙には、まだたくさんの銀河が存在しているに違いありません」と話している。

宇宙では、小さな天体が衝突と合体を繰り返し、より大きな安定した天体へと進化する。銀河も同じように小さなものから大きなものへと進化してきたと考えられている。今回発見された銀河の直径は、われわれの天の川銀河の20分の1ほどで、現在の宇宙に存在する銀河の「種」のようなものだという。

さらに、HSTとNASAの赤外線天文衛星スピッツァーのデータを合成することで、発見された銀河の質量と年齢が計算された。その結果について米・カーネギー研究所のIvo Labbe氏は、「天の川銀河のちょうど1パーセントです。驚いたことに、ビッグバンから7億年後の宇宙に存在していたこれらの銀河は、それよりさらに数億年前から星の形成を始めていたに違いないのです。これで、宇宙における最初の星形成の開始年代がさらに早まりました」と語っている。

HubbleSite / ESA HST