奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

君に届け

2021-02-11 | 詩詠~うたうたい
ある日突然 世界は閉ざされ
わけも分からず 僕らは立ちつくした
手さぐりで 半信半疑で
それでも 前に進まなきゃと

ある日 誰かが立ち上がった
世界のどこかで 知らない街で
やがて その輪が広がって
小さな光が 灯(とも)りだした

その指で その声で
世界に届けるメッセージ
苦しいのは 君だけじゃない
僕らは どこにいても 励まし合える
君に届け
僕らは 世界と繋がっている



どんなに手ごわい試練だって
僕らは 決して諦めない
同じ苦しみ味わった
世界中に 仲間がいるから

知らない誰かと 繋がれる
そんな時代に 僕らは生きてる
国も人種も 飛び越えて
みんなで光を分け合って

その指が その声が
世界に届けるメッセージ
希望を紡ぐ君たちと
僕らは 手と手を結び合える
君に届け
僕らは 世界を変えていける


君に届け 君へと届け
僕らは 「人類」という 一心同体




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某コンテストに応募して、見事に落選した作品です。

テーマは、「コロナ禍の世界に届けるメッセージ」みたいな感じでした。
選ばれるのは、ほんの一握り。いや、一摘み。
でも、選ばれなかったものが、駄作だとは思いたくない。
作品には、それを書いた人の思いが詰まっている。
それを大事にしてくれる人に読んで欲しい。

コロナ禍がいつまで続くか、誰にも分らないけれど、
人類が共に協力し合って、解決していかなければならない問題だと考えて、
自分が思う最善の方法を選択していきたい。

そもそも鬱持ちの私に、更に「コロナ鬱」がのしかかり。
それでも出来る限りの自粛をして、耐えている。
一日も早く終息の日がくる事を祈って。

ケダモノノセカイ

2014-10-30 | 詩詠~うたうたい
これは
私が望む
現実ではない


どれだけの時が流れようと
人は「良き世界」に安住を求めない

腐敗した心
腐敗した魂

醜い本性を隠すケダモノ


ヒトハ ミニクイ ケダモノ


マヤカシだらけの世界で
「良き未来」を放棄した者たち

極限を求める心
狂気に堕ちる魂

血の涙を流し己が心臓をえぐる


ヒトハ クルッタ ケダモノ



コレハ ワタシガ ノゾム ゲンジツデハ ナイ・・・・・・

秋が終わるよ

2013-11-13 | 詩詠~うたうたい
寒々とした黒い夕暮れは
たまらなく孤独を噛みしめ
冬へと向かう寂しさに
人恋しさを募らせる

会いたい人とは
いつ会える
とっくに季節は
過ぎてしまった

私はどれだけ
愛されているだろう
私はどれだけ
愛せているだろう

食い違う思いの深さ
すれ違う時間の中で
信じて待つことを
待つしかないことを
弱い自分を思い知る

冷たくなった指先を
ぎゅっと握りしめて
そっと息を吹きかける

会いたいのは 君だけ──

ニセモノ人生

2013-07-12 | 詩詠~うたうたい
誰かがしつらえた舞台の上で
才能もないピエロが
無様なダンスを踊っている

機械仕掛けの拍手喝采
捏造された人気と評価

ピエロはなんにも気づかずに
言われるままに踊り続ける

やがて拍手が止み
誰もいない小屋の中
客席を埋め尽くすのは
ぜんまいの切れた からくり人形

自分は今までどこにいたの
自分はいったい なにをしていたの

中身からっぽの芸なんて
誰の心も打たないと
ピエロはようやく気がついた

自分の人生
生きてなかったと
ピエロはようやく気がついた

やさしいのは【歌詞っぽく】

2013-05-10 | 詩詠~うたうたい
砂に足をとられて
つんのめった惨めな僕
水平線に沈む夕日が
震える背中を隠してゆく

やさしいのは この海だけ
波が砕けて僕の嘆きをかき消してゆく
握りしめたこぶしから
こぼれ落ちる砂粒
心の鎖をほどいてゆくように

やがて
風に涙がちぎれて
海の色に溶けてゆく

風に涙がちぎれて
海の色に溶けてゆく



穏やかに凪いだ海
月光に煌めく水面
僕の心もいつしか凪いで
海風のそよぎに耳を寄せた

やさしいのは この海だけ
繰り返すさざ波が僕の鼓動と重なる
与えられた命を生きよと
深海の女神が諭す
お前は なにもなくしていないと

やがて
空は静かに明けて
僕の足跡を染めてゆく

空は静かに明けて
僕の行く先を照らしてゆく

新しき時の始まりに

2013-01-02 | 詩詠~うたうたい
明けの空
けだかき後光射し
まじろぎもせず
しずかな心で
手を合わせ祈る

おだやかな世を願い
芽生える等しき愛
出会いの数だけの
とうとき命の讃歌(うた)
うつくしき世界に響け


ここからまた始まる
とこしえに続く時間(とき)の導き
しめされた道の彼方に
もとめる未来があるならば

夜明けとともに旅立とう
ろくでもない人生とおさらば
しあわせになりたい
くらやみはもう振り返らない







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皆様、あけましておめでとうございます。
2013年の第一作目です。

昨年は、鬱になってから一番不毛な一年を過ごしたように思います。
やることすべてに思うような結果が出ず、鬱になった当初のような
「見返してやる」的な意欲も削がれ、苛立ちばかりが募る毎日でした。

今年はもう少しゆったりとした気持ちで、自分を追い込まないよう、
鬱を克服することに意識を置いていこうと。
自分が受けた過去の理不尽の記憶は、一生消せないものなのでしょうが、
その亡霊に飲み込まれ、後戻りしてゆく事も徐々になくなっていけるように。

詩作も、今は感情(特に負の)に左右されつつ書いているような状態ですが、
これからはもっと、落ち込んだ気持ちを掬い上げるような作品を書けるように
なりたいです。うわべだけの癒しの言葉ではなく、ちゃんと心を通過した言葉で。

と、新年の抱負を述べましたところで(笑)、
今年も「奏~かなでうた~詩」をどうぞよろしくお願いいたします。


添見奏音

聖なる夜に

2012-12-24 | 詩詠~うたうたい
をそっと閉じて

セットの呪文唱える

ばらの道のまだ途中

リスマスツリーの煌めきは

フレインする記憶の中

ぎ去った悲しみたちを

法の旋律(しらべ)に乗せてゆくの

敵な夜に Merry Christmas




四季の詩(うた)

2012-12-05 | 詩詠~うたうたい
優しく過ぎた春
満開の桜を見上げ
明日に希望を
見つけた あの日

激しく過ぎた夏
猛り狂う地球の熱に
抗う人間(ひと)の
脆きを知った あの日

急ぎ足で過ぎた秋
幾重に色づく紅葉に
我もひらひら
一葉と舞った あの日

気がつけば もう冬
心まで閉ざさぬように
寄り添いあい
温めあおう 春が来るまで

僕の罪と僕の罰【歌詞っぽく】

2012-11-16 | 詩詠~うたうたい
こんな愚かな僕のために
君は戦ってくれたね
この心臓を狙う
矢の盾となって

ひとりにしないでと
叫んだ君の声が
飛び交う矢の雨に
かき消されていった

それなのに僕の頭は
大事なことさえ
覚えておけないんだ

命の恩人の顏さえ
モザイクがかかったように
思い出せなくなっていくよ


こんな無様な僕のために
君は泣いてくれたね
怖くなんかないよと
呪文を唱えながら

ひとりじゃないからと
頬を撫でてくれた
君の手の感触
君の涙ぐむ声

それなのに僕の心は
温もりさえも
忘れてしまうんだ

僕のかわりに傷ついた
君の心の痛みさえ
振り返れなくなってしまうよ


こんな愚かな僕に
神様はこれ以上もない
罰を与えたんだ

こんな無様な僕が
醜態を晒し生きている
それこそが僕の罰

君がいたこと
君といたこと
君を失ったこと
すべて僕の中から消えて……